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平穏な日 3(サイド・アルーラ2)

アルーラとラリーアのお話2です。

是非読んでください。


「お婆様は、あの子を疑っているの?」

「・・・そうね。疑ってないと言ったら嘘になるわね。」


それはそうだろう。普通に考えれば余程の教育を受けないと、あんなに言葉や礼儀作法を使いこなせるわけがないもの。

下手をすれば、普人族の触れてはならない事に触れるのかもしれないと、思うのは当然よね。


「アルーラも分かってはいるのね。」

「それは当たり前よ。一応これでも責任のある王族の一人だもの。それぐらいの事はちゃんと考えています」


私が答えると、お婆様が微笑んで頷いてくれた。


「それが分かっている上であなたに聞きます。アルーラはフェル君をどうしたいの?」


私は、どうしたい?

あの時私は冷静だったかと言えば嘘になる。あの悲惨な光景を見て普通ではいられなかったから。でもそんな中で私は確かに感じたんだ。

助けを求める思いを。

そおれは今に思えば、フェル君だったと確信できる。あの酷い状態で、ほんのちょっとした事で死を受け入れて楽になろうと考えてもおかしくない状況で、私に必死な思いで助けを求めてきたんだ。だから私は・・


「私は、あの子を助けたい。あの小っさな体で必死に私に助けを求めてくれたんだ。だから私はそれに応えてあげたいの」


私はお婆様の目を真っ直ぐに見て答える。

お婆様も私の目を覗き込むようにジーっと見つめてくる。

すると、ほう、と軽く息を吐かれ、肩の力が抜けるのが判った。


「これだけは覚えておきなさい」


真剣なお婆様の顔。こんな顔、訓練の時だって見たこと無い顔だ。


「はい」

「あの子の事で何かあったとしても、あなたがちゃんと守ってあげること。それが出来なければ、一緒には居られないわよ?」

「お婆様、愚問よ! 私を誰だと思っているの! ラリーア・ミレ・フューナスの孫、アルーラ・ミレ・フューナスよ!」


きっぱりと言い切ってやった。


「フフ。いつの間にか生意気な口を聞くようになったじゃないかい・・・よく分かったよ」


お婆様が認めてくれた。でもなんでそこまでお婆様はフェル君の事を気にするんだろう?


「お婆様、お婆様はフェル君の事どう思ってらっしゃるの?」

「そんなの決まっているわよ。怪しさ大爆発よ。でも良い子だというのは確かね。それにあなたも薄々は気づいているのでしょう?」


やっぱりお婆様も気づいていらっしゃったか。


「当然よ! あの子魔導師の才能があるわ。始めて会った時から、こう私の胸の奥に響いてくるものがあったの。私の魔力魂を震わすフェル君の波動みたいなものが」

「そう、私も感じたわ」

「え?」

「なに?」

「フェル君は渡さないわよ?」


聞いた事があった。

戦士とパートナーを組、魔導師との相性で、本当に相性が良いと魔力魂同士が響き会うと。

まさかお婆様まで?


「心配しなさんな。300才超えのおばあちゃんが今さらパートナーを持つことは無いわよ。でも、グルフェル様は六人の聖戦姫達と魂を震わせ合い、六人ともと婚約したわよ?」


悪戯っぽい顔をしてお婆様が私をからかう。


「グルフェル様とフェル君を一緒にしないでよ!」

「あら、でもフェル君の名前、あなたがグルフェル様に肖って決めたのでしょ?」

「そんな事まで似てもらわなくてもいいの!!」


うう、お婆様のばか!


「それは良いとして、問題が一つあるわね」


先ほどまでニヤニヤして私をからかっていたお婆様が真顔に戻って話し出した。


「問題ですか?」

「そ、パートナーの事となったら、あの方が出てくるわよ?」


! そうだった!! あああああ忘れてたよう!


「ど、どうしよう、お婆様!?」

「そんなの、あなたとフェル君とで何とかしなさい」

「えええええ?!」

「だいたい、フェル君が魔導師になって、アルーラのパートナーになるとは言ってるわけじゃないのよ? まずはそこからよ」


う、そうでした。

今はまだ私の一方的な思いだけだった。


「ええい! 考えてもどうしようもないわ! 行動してなんぼよ!」

大丈夫だろうか? 大丈夫よね? 大丈夫だと思いたい・・・


はあ、こりゃ本当に5才児にベタぼれじゃないかい? 誰に似たのかね?

と、心の中で問うラリーアだった。


それはズバリ、あなたですよ?

だ、誰?!


読んでいただきました方々に感謝いたします。

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