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【幕間】本編カードを選びつつ、奥沢さんとGBさんが語る魔法学園都市と時間遡行

奥沢さんのマスタリングでプレイするTRPG。

手元に配られた5枚のカードのうち、どれを本編シナリオに使い、どれを手札として残すか悩むPL達。

頭の中で色々なシナリオの可能性を検討していたGBさんが、なにやら不思議そうな顔をしています。


本編に入る前に、奥沢さんとGBさんが少しだけ設定を詰めていくお時間です。

GB:考えてたんですけど……オメガバージェスは、今封印されてるんですよね? 封印されてるってことは、ループ攻撃を受けてるのは……あっ、でも近くまで行ったら影響を受けてループしている? あれ?


奥沢:どうしました?

GB:うーん……オメガバージェスは封印されてるのに、シリアはなぜループしてるんでしょう?

奥沢:ああ、そこのところですね。

奥沢:それね、オメガバージェスは神殿の奥でしか力を発揮できないんですよ。と、いうことは、シリアは毎回神殿までは辿り着いているということでもあります。


GB:えっ、行っとったんや。

狼子:(他人事っぽい!)

奥沢:神殿の底まで行って、そこで毎回ループ攻撃を食らって記憶を食われ、過去に戻ってるのね。

GB:あ、じゃあ封印されてるけど、神殿の中ではオメガバージェスさんは普通におるんですね? 寝とる訳じゃなくて。すやーじゃなくて。

まほそ:笑


奥沢:でも、そのことを知っている人は、ほぼいない。そしてシリアも記憶を持ち出せないから、同じ行動を何回も繰り返している。

GB:何回も行っちゃってる……記憶を食べられに。


奥沢:そうそう。だから、あなたこそがこのお話を何度もやり直している存在なんです。

GB:なるほど。ありがとうございます。……そうか。で、すやーで……そうか。記憶をね、そうか……。

狼子:(GBさんの頭から、理解した物語の組み立てられる音が聞こえてくる……!)


奥沢:神殿がね、こう……コロッセウムみたいなすり鉢状になってるのですが、その一番底の先っぽのところに今、オメガバージェスは封印されている訳です。だから、そこまで毎回降りてきてるシリアは時間遡行を食らって記憶を失ってる。

GB:上ですやーってしてるイグニスがぎゅっと押さえてるからこそ、この底のちょみっとのとこだけが対象ってことですか。

奥沢:そうそう。


狼子:それって、もしかしてイグニス起こすとヤバいことになるんじゃないですか?

GB:封印が解けたら、きっとコロッセウムみたいな神殿全体がオメガバージェスの記憶操作の範囲に入っちゃうってことかな。

狼子:えっ? 上にある魔法学園都市が大変です……!

狼子:(どうしよう、オープニングの最後でまほそさんと合流しようとしちゃったんだけど……起こすとまずい?)


奥沢:そうね……ここでPCの動きに制限出ちゃうと面白くないので、そこもはっきりさせとこうか。

奥沢:さっきみんなで推理してたけど、実はイグニスの覚醒にオメガバージェスが引きずられているんじゃなくて、オメガバージェスが目覚めそうになってるから、イグニスの眠りが浅くなってるんだ。

奥沢:だから、何もしなくてもオメガバージェスはまもなく目覚める。

GB:主体はオメガさんなんですね。

狼子:止めなきゃ!

奥沢:そういうことだね。


GB:あの、この状態で、オメガさんから師匠の記憶を取り戻すってことはできるもんですかね?

奥沢:えっ? 今、まさにそれをやろうとしてるんじゃないの、あなたは!

GB:あ、いやいやいや、そうじゃなくて。つまり、師匠から奪われた記憶は、取り出されただけなのか、それともどっか消えたのかなって。オープニングでシリアは「師匠の記憶を取り戻す!」って言ったけど、そういう動機はあり得るのかと思って。

奥沢:ああ、そういう……そうね。ヒント的に言うと、オメガバージェスはその人間の記憶を食べることで時間遡行する生き物なんですよ。


奥沢:記憶を失ってループしてるってことは、シリアはおそらくオメガバージェスの元まで行っています。なぜ師匠の記憶が奪われ、今彼の記憶はどこでどうなっているのか、いつも突き止めてはいるんでしょうね。でも、神殿の底に至る途中では、どうして自分が先へ進んでいるのかは曖昧になってるんです。

奥沢:以前の自分をなぞりながら先へ進んでいるけど、この先へ行かねばならないと感じる理由は憶えていない。だから、曖昧な記憶を徐々に明らかにしながら進んでいくと、終点まで辿り着いたときには、またシナリオの頭に戻ってしまうんです。


GB:今回のオープニングのところですね。

奥沢:そう。だから、今回のGBさんはシリアとして、その「知っているけど知らない」状態のまま、ループを現実に体験して貰っている――のが、このシナリオです。

GB:なるほどね……。


奥沢:割とGBさんが好きそうなミステリ仕立てにしましたけど。

GB:まあ、かなりね。

奥沢:笑


GB:最初思ってたのは、敵の目的は師匠じゃなくて、シリアだと思ってたんですよね。

奥沢:え? まさに僕もそうですよ。

GB:えっ? でも、師匠が記憶を奪われてましたよ。

奥沢:それについてはローブの人物が言ったじゃないですか。「面白いことになってきたな」って。そのための前振りですよ。

GB:あー……!?


奥沢:なぜあなたが、毎回ループを繰り返しているかっていうのが、とても重要なんですよ。

GB:えー? 師匠が記憶を失ったってことはそういうことかって、今必死に頭の中で組み立て直してたんですけど。

奥沢:それは多分……言っちゃ悪いけど、無駄な努力だと思います。

GB:えー、マジか。

奥沢:最初に組んでるヤツで割とあってるんじゃないかな? 分からないけど。

GB:うっ。


奥沢:一応言わしてもらいますけど、僕のシナリオ、必ずPCが焦点になるように全部組んであるから。

GB:なるほど……。

奥沢:PC以外に焦点があることは、ないです。(断言)

GB:あっ、はい。分かりました。


奥沢:突然どこからか出てきた名も知れぬNPCが、全部かっさらっていくことは、ないです。

GB:いや、そこは信頼してますけど。

奥沢:PCに必ず意味がある。だから、狼子さんの「少女を探してる」って設定も、必ず意味がありますよ。

狼子:ぎゃう!(えっ、こっち回ってきた!)

GB:少女が全部かっさらっていくことはないってことですね。

奥沢:ないです。


狼子:で、でも少女は、シリアさん……?

奥沢:(表情を変えない)

狼子:ですよね?

奥沢:(表情を変えない)

狼子:(どきどき)


奥沢:……えー、さて、そんなことをお話しつつも、各自、本編用のシナリオカードは決まりましたか?

狼子:は……はーい!

まほそ:(黙って頷く)

奥沢:伏せたまま、場に2枚ずつ出しましたね?

GB:だ、出しました!


狼子:(今、出したカードを、うまく演出できれば成功か……!)

狼子:(皆が何を出したのか分からないけど、ラストシーンまでうまくつながるといいなぁ)

狼子:ふっふっふ、狼子は、自分的にめっちゃドラマティックなカード出しましたよ!

GB:お話がどうつながっていくんか、楽しみですねえ。


奥沢:GMの妨害カードも入っているので、クライマックスまでに全部で7シーンある計算になります。

奥沢:自分のカード、ちゃんと覚えてるね? 書き留めてって言ったよね?

奥沢:自分のカード忘れてたらしばくで、ほんまに。GBさん、そういうの忘れる天才やからなぁ。

GB:よくお分かりですね(きりっ)。

一同:笑


奥沢:じゃあ、こうやって集めたカードを切り直して、もっかいばらばらに配るよ。

奥沢:それから、今回のラストシーンである『塔(ⅩⅥ THE TOWER)』のカードを最終到達点として、カードを裏に伏せて並べます。

奥沢:今、皆の手元には配り直した2枚のカードがあるね。それは、自分と他のPLがシナリオ用に選んだカードです。

奥沢:誰にも見せずに考えて、「これはクライマックスに近いシーンかな」と思ったら『塔(ⅩⅥ THE TOWER)』に近い方へ、「これは最初の内に起こるべきイベントだ」と思ったらスタートに近い方へ置いてください。


奥沢:順番に並べていって……7枚のカードが場に伏せられたら、じゃ、始めましょうか。


 ――と、いうことで、次回からついに本編が始まります。

 逃げ回る子狼コミカ、猪突ズッコケ娘シリア、そしてすやーって寝てる魔神イグニス。

 さかまく螺旋の運命の輪は、どこへ巡っていくのか……!

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