【当日2】舞台設定
最終ミッション:塔(ⅩⅥ THE TOWER)
魔法学園都市の底に潜む、時間と記憶を操る『邪神:オメガバージェス』を倒し、魔法学園に平和を取り戻せ。
このゲームは、GM=奥沢さんです。
奥沢:では、オープニング前に、シナリオで関わるNPCの名前を先に決めておこうか。
奥沢:GMからは、『ギルベリオス・クロードベール』の名前を伝えておきます。彼は、法王庁のエリート騎士、パラディンです。法王直下の勅命を受けて動く、部隊の隊長です。シナリオのどこかで出てくるからね。
奥沢:次に、コミカ。あなたの親代わりのおじいちゃん教授の名前を教えて。
狼子:(じいちゃんの名前なんか考えてなかったけど、学園の教授かつ騎士の神官だし、ごっつい感じでいいか。航空機とかそういう感じの……)
コミカ(狼子):んー、ダグラスじいちゃんです。
奥沢:OK、ダグラス老ですね。
奥沢:シリアさん、師匠の名前を教えてください。
GB:えっ……えっと……(しばし沈黙)
狼子:(GBさんは長考派だなぁ)
狼子:(私みたく反射で答えずに、ちゃんと色んなこと考えて決めるタイプ)
狼子:(こういうのがきっと創作には大事なんだなぁ)
奥沢:すぐに出なければ後でもいいですけど。
GB:はい。じゃあ、後で……。
奥沢:沈黙が不穏だな。ちなみに、設定では、師匠があなたに告げようとした秘密があるよね? その内容はちゃんと考えてきた?(※1)
GB:あ、はい……(沈黙)……一応は。
奥沢:しばくぞ。
まほそ:なんで!?
狼子:しばくのが早過ぎる!
奥沢:いや、今の沈黙長すぎるでしょ! 狼子さんはTRPG初心者で、しかもこのゲーム1回目だからまあ優しくするけども、GBさんはTRPG歴長いしゲームも2回目だし、しかもプロの作家だからね……許さんで。明らかに厳しいで、俺は。
奥沢:ほんとに、もう。それで、イグニス――は特に教えて貰うものはないか。
まほそ:……えっ、寂しい。
奥沢:いや、だって今、封印されてるじゃん。
GB:あっ……シリアの師匠の名前、決まりました。ジェイナスでお願いします。
奥沢:ジェイナス。うん、いい名前ですね。
奥沢:で、皆さん、オープニングの方向性は決まった?
狼子:うーんと……(手札3枚あるけど、この中のどれかを選んで、シナリオを演出するんだよね)
狼子:(シーン説明とシーン効果を見比べて、演出しやすそうで、かつ、前衛のコミカが得しそうな効果はどれかな……?)
GB:あっ……はい、GM。魔法学園都市が舞台ってことは、最初のシーンは「学園にみんな集合!」みたいなイメージが良いですか?
奥沢:うん、それでもいいけれど、「どうしてその魔法学園に行くのか」という初期衝動=キャラクターの動機づけをしっかりしてもらった方がいいかと思うよ。
奥沢:小説の導入と一緒で、「なぜ」「どうして」魔法学園に行くかっていうのをはっきりさせた方が、後のプレイが楽しいよ。
奥沢:例えば、GBさんの場合だと、一番最初の「師匠が記憶を失うことになった」シーンの演出をしてもいいと思う。
GB:分かりました、そこからでいいんですね。
奥沢:うん。シーンの終わりで、「だから私は魔法学園を目指すことにした」っていうオチに持って行くでしょう? そうすると、次のシーン以降で目指すべきことがクリアになって、綺麗なオープニングになると思いますよ。
奥沢:(全員に向かって)今みたいにGMの僕にも相談して貰えれば、色々アイデアを広げていきますよ。オープニングで使いそうな敵のデータも、こしらえてありますので。
狼子:(えっ、GMってラスボスだけじゃなくてそんな、使うかどうか分からないデータも作ってあるんだ……大変だなぁ……)
狼子:(だったら、私のオープニングもどこから始めるかちょっと聞いとこうかな)
狼子:はい、奥沢さん! コミカは最初から魔法学園にいても大丈夫ですよね?
奥沢:そうですね。コミカが魔法学園にいるとしたら……オープニングでは「なぜ彼はこの事件に関わっていくか」をやってもらうのがいいですね。
奥沢:なので、オープニングの順番は一番最後にしましょう。他のひとのやり方とシナリオを見てから、どういう風にしようかなって決定してください。
狼子:はい。(なるほどー、なぜ事件に関わるのか、か……)
奥沢:という訳で、お話的には多分、GBさんかまほそのどちらかからのオープニングにしようと思うんですが。大丈夫ですか?
まほそ:……(こくこく)
奥沢:あなたはいつも何か、俺に不安を与えるな……。
まほそ:……(にこにこ)
奥沢:本当に大丈夫なんですか、魔神的には。
まほそ:……(こくこく)
奥沢:えー……まあいいか。
奥沢:じゃあ、最後にみんなで、この魔法学園都市の名前考えて貰えます?
まほそ:(間髪入れず)バージェスにしようよ。
奥沢:ん? ……ああ、なるほど。魔法学園都市バージェス。いいね。
狼子:オメガバージェスのバージェスですか?
まほそ:うん、それが名前の由来になってるけど、それを誰も知らないと言うね。
奥沢:なるほど。じゃあ、僕の方からイグニスに関する設定を伝えましょう。半分は、今のまほその設定を拾っての設定なんですけども。
まほそ:えっ?
奥沢:この魔法学園都市バージェスは、地下に魔神を封じ込めており、その封印の蓋の上に建っているという伝承があります。
奥沢:封じ込められている魔神の名前はイグニス。伝承では、古代の神の力によって、彼を封じているそうだが、その神様の名前は知られていない。……ってことで。
まほそ:つまり、オメガバージェスじゃなくて、魔神イグニスを封じたことになってるってこと?
奥沢:そうそう。
まほそ:へー。
GB:イグニスが他人事みたいに言ってるけど。
狼子:誰の話だと思ってるんですか、イグニス!
奥沢:ま、そんな感じで事実と伝承が、どうやらねじれている……というスタートにしようかな、と思います。
PL一同:はい。
奥沢:OK、じゃあオープニングをスタートさせていこうと思いますが、皆さん準備は大丈夫ですか? イケる? イケそう?
狼子:はい……?
GB:……うーん、多分。
まほそ:(にこにこ)
奥沢:不安だなぁ!
奥沢:とにかく、ここまできたからには、オープニングに入りたいと思います。
――と、いうことで、次回は、まほそさんのPC:イグニスのオープニングです。
※1:GBさんのキャラであるシリアは、彼女の師匠から「18歳になったら秘密を明かそう」と言われていたのだが、その秘密が明らかになる前に師匠が人事不省に陥ってしまった――という設定があるのだった。GBさんは、設定としてその秘密の内容を事前に考えてきている……はずだったのですが、はたして。