【事前準備】キャラメイキング
さて、当日までにGM:奥沢さんが指示したポイントは以下の3つです。
1)PLの用意したキャラに合わせて、シナリオ(今回は最終目的とラスボスです)を組むので、事前にキャラを作って、送ってほしいということ。
2)『アヴァロン・システム』の説明(各カードが示すシナリオと効果)を送っておくので、一読しておくこと。
3)当日は、サイコロ(2つ)と筆記用具を持ち寄ること。
事前に確認した範囲では、TRPGでは利用するシステムのルールブック(略称:ルルブ)を持って参加することが多いようです。
この場合のシステムとは、「こういう世界観です」とか「こうやってキャラを作ります」から始まって、「こういうスキルが存在します」「戦闘時はこういう処理をします」みたいなもののまとまりのことですね。
初心者には「ゲーム」と呼んだ方が分かりやすいのかも。遊ぶゲームの説明書がルルブになります。
ソードワールド2.0もそうですし、他にも、クトゥルフの呼び声やシノビガミなど有名でしょうか。
それぞれのゲーム(システム)に対して、それぞれ別の世界・キャラ構築・スキルや戦闘処理がありますので、それぞれ別のルールブックがある訳です。
すごく極端で購買意欲のないことを言ってしまうと、1冊あればみんなで回し読みして、ルール共有はできる……はずですね?
なのですが、個人的には、ルールブックは手元に欲しいと感じました。
例えば、魔法の説明「×××の魔法:〇〇の効果がある、3ターン有効、ただし■■■のデメリット有」――戦闘のたび、こういう説明を数人で回し読みしつつプレイするって、非常に煩雑なのです。
時間や効率のことを考えると、1人1冊を基本とする場合が多いのかな、と思います。
今回、GM:奥沢さんからは「これが初めてじゃ面白いかどうか、ルールブックが必要かどうかわからないでしょうし、持って来なくても良いですよ。面白いと感じたらそのときに買ってください」と言われてましたが、私は先に買っちゃいました。
だって、ソードワールド2.0のルールブックは文庫本サイズ。初心者向けのルールなら、1冊千円未満。基本ルール3冊でも3千円しません。(偶然まとまったお金も手元にあったので、お財布の口が軽かったのです。冬の狼の懐はぬくい!)
実際、持っててとても便利でしたので(プレイ中も何度も開きました)、やりたいシナリオが既にあって、買おうかどうしようか迷っているなら買った方が良いとオススメしておきます。
さて、そんなこんなで前日までに行ったキャラメイクの結果は以下の通り。
■PC1)へたれ狼少年:コミカ。人族。男性。15歳。
PLは狼子。
グラップラーメインで、スカウト、プリースト、エンハンサー技能ありの、強い上に便利な前衛。
魔狼のもとで育てられていたところを、魔術学園の教師である祖父に拾われた。魔狼の影響で、魔術の才能があるのではないかと期待され、魔術学園で育成された。が、どうにも本人は格闘技能ばかりにご執心の様子で、今や学園を追い出される寸前の落ちこぼれ学生。高等科に上がるときに、一人の少女に出会った。今もその少女を探しており、それが高じて、魔法学園のあちこちを探索する癖がついている。
■PC2)突撃タイムトラベラー:シリア。人族。女性。18歳。
PLはGBさん。
マギテック成分多めのファイター。中距離もいける前衛。
実の両親を知らず、その友人だという人を師匠と仰いでマギテックの修行を続けてきた。師匠からは、「18歳になったら秘密を明かそう」と言われていた。ところが、その18歳になった日の夜、師匠が何者かに襲撃され、秘密は秘密のままとなってしまった。
敵の術により、その夜を起点に、それから何度も時間遡行を繰り返している。詳細はゲーム内で。
■PC3)魔術王イグニス。ナイトメア。男性。何かすごいご年齢。
PLはまほそさん。
ソーサラー&コンジャラー技能を持っためちゃ強魔術師。
今回のラスボス(後のリプレイで説明)の元恋人。ゲーム開始時点では封印されて眠っている。
他にもいろいろすごい設定があるのですが、これも詳細はゲーム内で。
事前の打ち合わせでは、今回のシナリオでどういうスキルが必要とされるか、またパーティ全体として不足しているスキルはないか、シナリオを作るときにもっと面白くなる経歴をどう付け加えるかなどについて、全員で相談・調整しながら進めました。
たとえば、私=狼子のキャラであるPC1)コミカの持つスカウト技能は、一般的には盗賊のスキルに似たところがあって、鍵開けや忍び足、聞き耳など、パーティの探索役でもあります。当初、この技能を誰が取るか決まってなかったので、「持ってると戦闘以外での活躍が多いよ」という奥沢さんのオススメに従い、コミカに習得させました。
面白い経歴については、例えば、PC2)シリアは、当初「実の両親を知らず……秘密は秘密のままとなってしまった」までがPL2の提案された経歴だったのですが、その後のやり取りで、GMから、その経歴では20回分の成長に達しないため、「何度も時間遡行を繰り返している」という設定を足してはどうかと提案を受け、最終的にそれを加味したキャラとなっています。
ソードワールドに詳しい方は、「ずいぶん色んなスキルを習得できたな」と思われるかもしれません。
原則として、今回のセッションでは、20回分の卓をこなした……つまり、20回分の経験点や能力値の成長を加味した形からのスタートとなっています。
ある程度できることが多い方が、バトルもストーリーも楽しくなる、とGM:奥沢さんが言ってくれましたので、喜んでその設定でスタートしました。全員、大体、冒険者レベルが6~7くらいになっています。
ここで補足しておきますと、ソードワールドでは、『GMは最終的な裁定やルールを決定する役割を担います』(ソードワールド2.0 ルールブックⅠより抜粋)。多分、多くのTRPGでGMはそのような位置づけなのではないでしょうか。
もちろんルールブックがあるので、GMは(自分も含め)みんなが楽しめるよう公平に行動する責務があります。ですが、ルールブックにないルールもありますので、そういう場合はGMが決定します。
例えば、ルールブックの行動判定表にない行動「片足が地面に着く前に、反対側の足を持ち上げれば、空中を歩けるはず。この方法で塔の上まで行きます」とPLが宣言した場合、「そんな行動はできない」と拒否するか(普通はできませんもんね)、「では足の早さを『水泳』で判定しましょう。達成値は25です」(かなり難しいですが、高位レベルで敏捷度の非常に高いPCなら可能かも)と言うかは、GMの一存となります。
(蛇足で言うなら、ソードワールドでは「軽業判定」という足場の悪いところを移動するための行動判定がありますので、素直に「塔を上ります」と宣言した方が達成しやすい場合が多いと思います。もちろん状況によるとはしても。無体をすればクリアから遠ざかるのは、あらゆるゲームの原則ですね)
ということで、GM:奥沢さんの指示のもと、今回のセッションはこのルール(20回セッション後からのスタート)でプレイします。
色んなスキルを携えて――とは言え、こちらが成長している分、敵も強大になっているということですから――狼子、もとい、コミカは尻尾を膨らませて、戦いの場所へ赴きます。こわいね!
ではでは、次回は、当日の朝の簡易説明の様子からです。