包帯倶楽部
ステエキソオスのような包帯と
包帯のようなステエキソオスと
夜に滴る肉汁と光に巻いた包帯
の和、それもまた人生、列車は
事故を起こすか停車するか錆び
つくかいずれにしてもいずれは
止まり空をあおぐだろ。霹靂を
秘めたコバルトブルウの空を。
包帯を巻いた列車は包帯を巻い
たわたくしと包帯を巻いた時間
もろとも止まるために走ってゆ
くだろうが、包帯を巻いた道の
うえにすずろ包帯を巻いた想い
を思うことには。
きっと包帯の
奥にあるのは
包帯を、巻いていない、「感覚
」、なのだと、そう素直
に
、
わたくしは泪みたいに
思考を垂れ流す
んだ。
包帯を、剥いで。
包帯倶楽部よ今はさよなら、
包帯を、剥いで。
包帯倶楽部よ今はさよなら、
包帯を、剥いで、さよなら。
泪を垂れ流すんだ、靴底の、き
ず、から。包帯を、さよなら。
取捨、結果、物質、輪廻。
喪ったもの
得たもの、
というのすら、
もしかしたら「感覚」
に過ぎない、
ね、
、ねえ、
「美」、
「愛」の感覚、は
、形式も形状も持たずに
、
直截に
あかいあかい
血を
「むしろ無痛の直線、フォルム
無きまるみで描いた直線にて、
わたくしにきみに伝えるだろ」
直截に
あかいあかい
血を
直截に
あかいあかい
血を
直截に
あかい
了。