通り道に何か居たんです。
今日の朝は清々しかった。何故こんなに気持ちが良いのか分からないが平日の朝にしては珍しい気分だ。
窓のカーテンを開け外を見る余裕、美しい景色だと感じる視覚、リビングで爆睡する異世界元勇者を見ても苛立ちが少ししか無い自分、一応踏んでおく
「最っ高ーだな!」
「い…痛いぃ…」
「おい、異世界元勇者よ主人に飯作れ」
「…なんか…朝から、テンション高いよぉ〜…意味が分からないよぉ〜」
「居候が文句を言うな働かざるものは食わせん」
「ベーコンエッグでいい〜?」
「ん?できるのか?」
「作るない、って言ったらどうしてたの?」
「なめ茸を頭に掛けようかとおもってた」
「…え〜…もったいないぃよぉ意味が分からないよぉ〜」
「とにかく作れもうすぐ出るから」
「はいよ〜」
朝食を軽く取り葵に掃除洗濯を押し付け出勤の為に外に出た、いつもよりも早く起きたせいか道は空いて居て楽だ。進むと昨日は無かった看板を見つけた。
[捨てキノコです(T_T)]
捨て犬や猫で無くキノコ…動物で無く菌類…キノコなんて捨てると言ったら生ゴミのハズ、おかしなイタズラかと思い目線を看板の下に降ろすと箱の中にいた
「( ・∇・)…。」
子犬サイズで顔のあるキノコがいた。
「( ・∇・)ヒロッテ!」
声帯もあるらしい。
常識外れのモノを増やしたくない為にガン無視をして会社に進むことにした。後ろ髪などぜんぜんひかれなかった。
会社に着いたが繁忙期を過ぎた現場は静かであった。暇なこの時期に有休消化すると言う話も朝礼きこえてくる。今日は何事もなく業務をこなし定時上がりになった。帰り道は先程の道を通らない様に回り道を行く。
「( ・∇・)…。」
…。なぜ居る?この物体は…。
「( ・∇・)オネシャス!」
やはり目を合わせない様に通ったら
「( ・∇・)ホンノキモチデス。」パタパタ
キノコは身を震わせ胞子を撒いた。すると足下に松茸らしきモノが生えて来たが、こんなモノに釣られないので避けて帰る。
「( ・∇・)フン!」メキッ
何故か後ろの方で音がしたパタパタと聞こえるからついて来てる気がするが振り返らず進む事にした。アパートまで来たら葵をつかってどうにか倒そう。
すれ違う人の目線が痛い…やはりついて来ているようだ。
「( ・∇・)マダデスカ?」
イラッとした。殴りたかったが菌類は何が起こるか分からないから触りたくない。子供の頃に頭に寄生されるアニメを観てから少しトラウマだ。
「( ・∇・)ノドカワキマシタネ」
帰り道に金物屋が無いのが残念だ…ドンドン自分の足早になる、聞こえる足音も速くなる。
気がついたら本気で走るがまだ足音は離れない!
「( ・∇・)アトデミズクダサイ」
頭の血管キレそうです。
やっとアパートが見えてきた!脇目を振らずに階段を一気に部屋の中へ駆け込みしっかりと扉を閉める。が、台所で水道の流れる音がした
「( ・∇・)…。ウマクナイミズデスネ」キュッ
「なんで!?なんでいるんだ!!」
「( ・∇・)ペットデス!」
「キノコを買った覚えは無い!」
「大声でどうしたのぉ〜?わ!キノコだ〜美味しそ〜♪」
「( ・∇・)バターデイタメテ!」
「食うか!!」
奥から葵が来たが話がややこしくなりそうで困るがこの奇妙ななキノコ倒すには奴の力が必要だと思った
「え〜もったいない」
「お前は食えるのか?」
「食べれる幸せをしらないの?食べ物が無い場所だってあるんだよ〜」
話を振った相手が悪かったと後悔した。
「( ・∇・)カッテクダサイ」
「ねぇねぇ〜リョウタロー飼おうよ可愛いよ」
「嫌だ気色悪い」
「( ・∇・)C言語トJavaScriptト、サバノミソニツクレマス」
「…!で、も、仕事IT系では無い…味噌煮?」
「ジャバスプー…何とかって何?」
「後…何か出来るのか?」
「( ・∇・)ピザモツクリヤケマス、動画編集モデキマス」
「なんだかやけに高スペックなキノコの気がする…」
「美味しそうだよね〜」
あ、奴(葵)と交換しろっと言う事でしょうか?神様仏様…でも、出来れば人間が良かったです。