変な女もいたんです。
変態な自称魔女っ娘です。可愛がってください。餌は与えないでください。
「う、嘘つき!!何あの店員め!呪ってやろうかしら!」
部屋の真ん中で呪いを叫ぶ女の姿は黒のふわふわロングヘア黒のワンピースに黒のパンスト、黒のドクロモチーフのイヤリング…身につけてる物は全て黒だが肌が白く露出が多い為か暗くはなく逆に明るい。大家のばぁちゃん言うには胸が大きい上に露出してるから破廉恥だと言われたが褒め言葉だと思ってる女の名は瑠夏
「くぅ〜そぉ〜!どうするか!」考え何も浮かばない、苛立ちながら部屋の中でウロウロ回る姿はまるで小動物の様だ
……?…
外から足音と話し声の聞こえた女は窓に張り付き目を光らす
…(あ、お隣か何かしら…珍しい連れがいるのね…よく見えないな…だったら会話だけでも)…
……
「聞くだけだからな、不審人物にされたらたまらないからな」
「で、でも状況判断は必要だよ!どこから襲ってくるからわからないからね!」
「そうデスカ…」
トントン
ドアをノックされ思わず瑠夏は返事をしてしまった。
「あ、隣の西嶋です。凄い音したのですが大丈夫ですかー?」
瑠夏は失敗の方ばかり気にして爆発の騒音に気にもとめなかったようだ。
「あー、すみません大丈夫ですか、ら…」
瑠夏は隣の連れが気になりドアをあけて返事をした不用心な行動だったが彼女自身は最大の幸運を得た
「あの西嶋さん?か、彼は?」
「はい?あ、友人の…えーと」
口ごもってしまった。一度死んだ奴をすんなりと紹介したら面倒くさいと察知したからだ
「あ、僕テリーです」
そっちを名乗るのか…
…暫しの沈黙…
「す、素敵お名前ですわ!テリーさん…いやテリー様!好きです!私は瑠夏です!愛してます!私はこの地域で魔女っ娘やってます!結婚しましょう!あ、ちがいますね…!とりあえず入籍でぇ!!」
自己紹介に驚いた…間あいだに愛の言葉とは…そして、魔女っ娘…なに言っているのか少し理解に苦しんだ。
瑠夏は凄い勢いで葵に接近する。
「あ、の…僕、凄い音がきになったんだけど…」
彼女の急接近と告白をを気にもせずに話をもどす。
「ああん、気にしないでダーリン♪ちょーっと実験失敗しちゃったのよ〜秘薬作りで!」
ダーリンに昇格
「いえ、僕テリーです。」
自ら降格
「あ、じゃあ大丈夫そうなので俺たちはこれで…」
「あっ、お待ちになってテリー様」
「え?僕?」
「うちにいらっしゃらないですかぁ」
「…面倒なのでいいです。寝たいし」
ストレートな拒否の言葉は子供の様だが瑠夏は気にしないようだ。
「あ、じゃあ、一緒に寝ましょそうしましょう!」
「だめだよぉ〜女の子がそんななしたないよ〜僕帰る〜」
側からみると深夜にコスプレの2人の馬鹿ップルぽい会話だが葵は優しい口調ながらもズバッと否定で瑠夏は誘惑させようと話してるのだろうが少し滑稽に聞こえる。
しばらく押し問答はつづく
「ラチがあかないわね!私のものになりなさいクソガキ!」
「え〜嫌ならもんは嫌なのぉ!」
近所迷惑な声になってきたが田舎の少し不便アパート余り人が居ないのが特徴、少しほって置いても大丈夫だが巡回の警察に目が合ったら困るのでそろそろ割り込もうかとした途端に葵が厳し顔になる
「…!!リョウタロー下がって!!」
へ…?
瑠夏は胸元から教鞭を持ち出し振り回す。
「私の元で落ちなさい!ダァークスァーイドォォォー!」
「遅いよ!とりぁぁ!」
瑠夏の全身から染み出す黒いモヤが葵に襲うが差し出された手によって消えた様に見た…と言いたいが呆気に取られて把握が出来ない
先日、親戚の家で簡単な作りのVRゴーグルを使わせて貰った事を思い出したが…作り物は作り物だったんだなぁと今、思った。
「てぃ!!」
背後に回った葵は首肩辺りに手刀を入れるドラマやアニメでも最近見ない見事な瑠夏のオチっぷりであった。
満面の笑みで葵は部屋に帰って寝に行った。
女の人を外で気絶させるのは人道的に良くないと感じたが、この人は大丈夫だと確信した。
「…うん、俺も寝よう…」
自分の部屋の鍵が壊れてるのを忘れて就寝
明日は明日こそは普通の日常であるとこ願いたい。