〜青色のネックレス〜,〜謎多き国〜
前回、ガッドと約束をした紅。
今回は出航、そしてジェロニーに着きます。
〜第1章〜 「青色のネックレス」
ジェロニー行きの大きな船がとまり
出航の時間は遅くもう夕方になっていたが
そのまわりはお祭り状態になっていた。
「地図はお持ちになられましたか?!向こうは治安が悪いと聞きます 夜は出歩かないよう
お願いします!!宿はこちらが手配しときますしそれからそれから…」
「…ミリス お前は心配性だ 私なら大丈夫さ
宿の手配は頼んだ。」
慌しく動きながら話すミリスに
紅は落ち着いた表情で言う。
「失礼します紅様。
少々よろしいでしょうか」
「カザルス、どうした 何かあったか」
どうした。そう聞くのは
紅の口癖なのかもしれない。
何がなくともそう聞いていく。
「いえ。またしばらく帰ってこないと
聞いたので紅さんに挨拶をと…」
「そうか…また帰ってきたら遊びに行く
それまで、ガッドとちび達を
よろしく頼んだぞ。」
ふっと笑う紅を見て
カザルスは少し下を向いて鼻をこすった。
「ふいうちですよ…」
カザルスは聞こえないようボソッとはいた。
「ん?どうしたカザルス」
「い、いえ…!!…そういえばこれを。」
カザルスが胸のポケットからだしたものを
紅に差し出す。
三角の枠の中に綺麗な青色の
ある薬草を調合した時に微量に出る
貴重なものが入れ固めてあるネックレスだ。
「お前が作ったのか?」
「えぇ、紅さんの旅のお供にと。」
「よく出来ているな ありがとう。」
カザルスは少し照れたように
また鼻をこすった。
紅はその場でそのネックレスを身につける
その時、ぶぉー と船の出航の合図がなる。
「紅さん…」
「あぁ、そうだな」
ようやく出航の時間になった紅は
大きく右手をあげ街の皆に聞こえるように
行ってくる と叫ぶ。
街の人達は皆紅に向かって叫ぶ。
カザルスのところの子供たちも。
「…では行ってくるぞカザルス」
「お気をつけていってらっしゃいませ。」
あぁ。と笑う紅の頬を
あの夕焼けが照らしていた。
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第1章「謎多き国」
ジェロニーに着いた紅は呆然としてした。
「ジェロニー 国王の使いの者です。
紅様、お迎えにあがりました。」
ミリスのやつ…そう考えつつ
やんわりと笑いながら
紅は使いの者にジェロニーの案内を頼んだ。
使いの者は リマ と名乗った。
リマはまず、ジェロニーの国王の所へ
向かった。
「失礼致します。王様、ヴェルメリオから
近衛騎士団団長 紅様が
いらっしゃっております。」
入れ。声は低くどこか冷たい気がした。
「では、紅様 わたくしはこれで。」
「あぁ、ありがとう」
「失礼致します。ご紹介いただきました
ヴェルメリオ王国 近衛騎士団団長
紅と申します。 今回は船の用意、ならびに
使いの者の用意 ありがとうございます。」
「あぁ、聞いていた通り本当に白髪で
狼族なんだな。」
クローロンはまるで紅をよそ者とでも
言うように冷たい瞳で紅を睨み、
ボソッとなにかをはくと、
スっと切り替わったように笑った。
「さぁさぁ、私への挨拶はこのぐらいで
結構ですので 後はリマが変わります。」
スっとドアが開きリマが出てきて
礼をする。
「リマ、紅さんに色々と紹介してやりなさい。」
「了解しました。クローロン様。
さ、紅様こちらに。」
案内され、部屋から出されてしまった。
紅は何かあるだろうかと少し思いつつ
クローロンを睨んでいた。
リマに案内され、王宮の中を
一通り見ているとメイドたちの話し声が
少し聞こえた。
「ねぇねぇ知ってる??また牢の囚人が逃げたみたいよー」
「えー、また逃げたの??王宮の中にいないならいいけれど安心して仕事してらんないわ」
「ここなんか特に治安が悪いしねぇー
それにしても なんで牢の強化を
しないんだろうねー」
………やはり、何かあるのか。
そう思いつつリマのあとを歩く。
「紅様、お泊まりになるのは王宮でよろしいでしょうか。」
「いや、宿はうちのものが既に探している
そこに泊まるので大丈夫だ。」
「そうですか、それは失礼しました。」
「では、もう宿へ行く。リマ殿は…」
「わたくしは仕事があるので。」
もうかなり暗くなってきているが、
王宮から仕事が終わり帰ろうとするものは
あまりいなかった。
リマとわかれ宿へ向かう途中、
紅は1人考えていた。
私を王宮においておきたいほど
隠しておきたいことがあるのか…??
「また」逃げた囚人…強化されない牢…
色々と考えているとミリスに言われた
宿についた。
宿主に鍵をもらうと部屋へ向かった。
そこには、ミリスがジェロニーを信用せず
こちらから宿に直接送ると言ってあった
荷物が置いてあり 手紙まで置いてあった。
「心配性め…」
いつもあることだが、毎回こうだと
驚かなくなっている自分が怖くもあった。
「明日から色々と
この国のことを調べてみるか
仲間探しはそれからでもいいだろう。」
チラと窓の方を見ると王宮は
まだ電気がついていた。
「謎の多い国だな。」
そう思う紅は宿のベッドで
すやすやと寝始めた。
ジェロニー…なんか書いてて自分でも
嫌な国だ って思いつつ睨んでましたw
今回はそんなに面白くはない回にしました
( ̄▽ ̄;)
紅の青いネックレスにカザルスの想いがのる。
届くことは……