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終わりの始まり
―光。それを認識するには遅すぎた。
「香澄っ!」
―声。反射的に発した声は彼女に届くはずも無かった。
この先"何"が起こるか、"どう"なるか"自分"は知っている。
同じ光景を見ているであろう"自分"はどう思っているのだろう。今の"自分"には分からない。
何度も、何度も、何度も見た光景が目の前に広がる。
"聞き慣れた"叫び声が辺りに響き渡ると同時に自分の身体は淡く冷たい光に包まれる。
「また...また防げなかったッ!」
その声は"自分"に届いただろうか―
気づいた時にはいつもの、何度目か分からない"今日"に自分は居た。