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ひとくち語  作者: 柚紀
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とある中学生の日常

 こんにちは、僕の名前は山中太郎。田舎に住んでる中学一年生だ・・・。

趣味は日向ぼっこと読書マンガで部活は一応柔道部に所属しているのだ!

このお話は、そんな僕の日常をゆるゆる紹介していく物語です。


 ・・・放課後

「おーい!太郎プロレスごっこしようぜ!」

 武道館で部活が始まる前、同級生の岡田太一が誘ってきた。

「いいぞーこい太一!」

「いくぞードリップキック」

 軽いダッシュに勢いのあるジャンプ、そして両足を揃えて蹴る。それをクロスアームブロック(両腕を胸の前で十字に構えてのガード)で防ぐ。

「いやいやいや・・・それを言うならドロップキックだろ」

「え?ドリップキックじゃないの?」

「いや、ドロップだよドロップ・・・」

「ドロップかー飴舐めたいな、お前は何が好き?俺はハッカかな」

「ドロップってそのドロップじゃねーよ!俺はイチゴかな・・・ってお前ハッカってマジか!マニアックな味が好きだな」

「いやいやマニアックって・・・あのスーっとしたのがたまらん。あとはドロップ缶に水入れると甘い水になるよな」

「・・・いやぁ、さすがにそこまではしないな」

「ちょっ!なんでそんなに引いてんだよ、泣くぞ」

「あはは・・・ゴメンゴメン」

 半泣きの太一に鞄の中にあった飴を一つあげた。

「おっサンキュー。・・・ってなにこれ」

「いや、飴でしょ・・・」

「うん、まぁ飴なんだけど。何味?これ」

「これはな、龍角散っていうんだ!なんか名前カッコよくない?」

「いや、まぁカッコいいけど・・・結局どんな味なの?」

「これね、飴なのに他の飴よりちょっと高いんだよ」

「へぇ、高い飴なんだね・・・で?どんな味なの?」

「・・・知らない」

「知らなんかーい!」

 太一はオーバーリアクションでツッコむ。まるで漫才師のような仕草で勢いよく手の甲を僕の胸部にぶつけてくる。

「味は知らない」

「って知らないんかーい!・・・ってなんで二回言った?」

「大事なことだからね・・・大事なことだから二回いいました」

「なんで敬語?なんでキレ気味?」

「いや、キレてないないですよ?俺をキレさせたら大したもんだ・・・」

 僕はある有名なレスラーのものまねの人のものまねをしてみせる。

「・・・えーっと、誰だっけ?」

 伝わらなかった・・・・ので

「チックショー」

「・・・・・・・」

 また滑った。ってか、全然伝わってないっぽいな・・・・。

「・・・あれ?俺たちって何してたんだっけ?」

「プロレスごっこでしょ・・・自分から誘ってきたんじゃないか」

 僕はため息を吐きながら手のひらを見せながらやれやれと首をふった。

「あぁそうだったね!たしかドロップキックをドリップキックって間違えたのからこんなに話が脱線したんだったね」

「ってことで、次は僕が技をやる番だね!」

 僕は少し距離をとって身構える。

「あっ!先輩たち来たから終わりな」

 武道館の入り口を見ると先輩方がぞろぞろと入ってきた。

「・・・次は僕が先攻だからね」

「わかったよ!じゃあ次は先攻な!とりあえず準備運動でもしようぜ」

「そうだね、もうすぐ部活始まるしね」


 僕の日常の一幕であった。

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