NNNのばかぁ!
台風の日
6月27日の仕事帰りのこと。台風七号がってほどではなく、ただ雨が激しい一日って感じではあったのですが。運転中、片側車線の1/3くらいの場所に何かが落ちていました。
目を凝らして、猫……だよなぁ。
尻尾を投げ出すようにして座っているのは黒っぽい猫でした。
動けないでいるのかなぁ。
跳ねられたか轢かれたか。このままでは、悲惨な未来しか思い浮かびませんでした。次は八号が控えているし、そうでなくても雨でずぶ濡れで動けないままだと、もしくは視界が悪くなるとやっぱり。
思いきって車を降りて近づきました。逃げればそれでよし。じゃなければ、せめて歩道に移動させよう。
脇に手を差し込んで抱き上げる。
びしょ濡れ。
動けないのか? されるがまま。
雄らしく、かわいい声で甘えるように鳴く。
さて。引き返そうとして、それでも振り返ると、ついてくる。
野良……だよね。なのについて来るの?
あああああ。
猫ほんの五日ばかり前に飼ったのに。
なんとなく呆けている老犬が。
でもでもでも。
NNNのばかぁ!
内心ぐーるっぐるしながら抱き抱えました。
「犬と子猫いるよ。それでも来る?」
か細くかわいい声が。
イヤなら暴れるはず! 車にのせれば逃げようとするはず。
乗せても肩にしがみつく。
「来るならちょっと降りて」
わかったのかバックシートのクッションに香合座り。
ちょっと気になったのは、甘臭いような体臭。
家に帰って、お風呂に直行。
ただ、我が家に犬猫用のシャンプーはない。人間用はきついって言うし、でも背に腹は変えられないっていうので、うっすーくして泡にしてつけてみた。
擦りあげる。
タオルで拭いて水と餌。
少し食べた。
しがみついて離れない。
なんか命綱って思われてる?
ドライヤーは怯えさせそうだったのでタオルでくるんでとにかく拭く。
やっぱり臭い。
くるんだままキャリーに移して、自分もお風呂。
我が家の先住から庇ったのは、顔を見た途端、キャリーからでて膝に来たから。
ノミが2匹ほど私の腕に出てきたのを潰したり。
そうやって夜、寝ようと横になったら、やっぱり来たがる。仕方ないので、も一度キャリーに移して今度はロックしていたのだけれど、外して出してやる。
これが、脇に来るんだ。
しがみつくみたいに脇で寝る。
臭いが気になるけど、寝ました。
途中で老犬に首を噛まれかけて、腕の中で脱糞されましたが。
も一度お風呂にいれましたが。
とにかく引っ付こうとするんだ。
次の日も。
タオルが黄色く濡れていたので、漏らしたっぽい。私の腕が臭い。仕事なのではなれて、寝ている子を踏んでしまいました。痛恨のミス。でもしっかりキャリーに移動したのを確認。
そうして仕事に出掛けて帰ると。儚くなっていました。嫌な予感はあったんですよ。踏んでしまいましたし。体臭が気になってしかたなくて。その体臭が仕事中にふと鼻先を掠めたことがあったので。
7日。とにかく7日様子を見てから色々決めようと考えていたので、だから名前もつけていなくて。
そうして。
1日だけの我が家の猫を葬祭場に。
犬猫、大小にかかわらず1万円の費用がかかりますが、お寺さんに合同で葬ってもくれます。庭に埋めるというのもありですけど、地面の固さもあるのでやっぱり正式に。
名前もつけられないままの我が家の猫さんですが、虹の橋で安らかに。
どたばたした2日間でした。




