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るう子の雑記帳

NNNのばかぁ!

作者: 工藤るう子
掲載日:2026/07/01

台風の日


 6月27日の仕事帰りのこと。台風七号がってほどではなく、ただ雨が激しい一日って感じではあったのですが。運転中、片側車線の1/3くらいの場所に何かが落ちていました。

 目を凝らして、猫……だよなぁ。

 尻尾を投げ出すようにして座っているのは黒っぽい猫でした。

 動けないでいるのかなぁ。

 跳ねられたか轢かれたか。このままでは、悲惨な未来しか思い浮かびませんでした。次は八号が控えているし、そうでなくても雨でずぶ濡れで動けないままだと、もしくは視界が悪くなるとやっぱり。

 思いきって車を降りて近づきました。逃げればそれでよし。じゃなければ、せめて歩道に移動させよう。

 脇に手を差し込んで抱き上げる。

 びしょ濡れ。

 動けないのか? されるがまま。

 雄らしく、かわいい声で甘えるように鳴く。

 さて。引き返そうとして、それでも振り返ると、ついてくる。

 野良……だよね。なのについて来るの?

 あああああ。

 猫ほんの五日ばかり前に飼ったのに。

 なんとなく呆けている老犬が。

 でもでもでも。

 NNNのばかぁ!

 内心ぐーるっぐるしながら抱き抱えました。

「犬と子猫いるよ。それでも来る?」

 か細くかわいい声が。

 イヤなら暴れるはず! 車にのせれば逃げようとするはず。

 乗せても肩にしがみつく。

「来るならちょっと降りて」

 わかったのかバックシートのクッションに香合座り。

 ちょっと気になったのは、甘臭いような体臭。

 家に帰って、お風呂に直行。

 ただ、我が家に犬猫用のシャンプーはない。人間用はきついって言うし、でも背に腹は変えられないっていうので、うっすーくして泡にしてつけてみた。

 擦りあげる。

 タオルで拭いて水と餌。

 少し食べた。

 しがみついて離れない。

 なんか命綱って思われてる?

 ドライヤーは怯えさせそうだったのでタオルでくるんでとにかく拭く。

 やっぱり臭い。

 くるんだままキャリーに移して、自分もお風呂。

  我が家の先住から庇ったのは、顔を見た途端、キャリーからでて膝に来たから。

 ノミが2匹ほど私の腕に出てきたのを潰したり。

 そうやって夜、寝ようと横になったら、やっぱり来たがる。仕方ないので、も一度キャリーに移して今度はロックしていたのだけれど、外して出してやる。

 これが、脇に来るんだ。

 しがみつくみたいに脇で寝る。

 臭いが気になるけど、寝ました。

 途中で老犬に首を噛まれかけて、腕の中で脱糞されましたが。

 も一度お風呂にいれましたが。

 とにかく引っ付こうとするんだ。

 次の日も。

 タオルが黄色く濡れていたので、漏らしたっぽい。私の腕が臭い。仕事なのではなれて、寝ている子を踏んでしまいました。痛恨のミス。でもしっかりキャリーに移動したのを確認。

 そうして仕事に出掛けて帰ると。儚くなっていました。嫌な予感はあったんですよ。踏んでしまいましたし。体臭が気になってしかたなくて。その体臭が仕事中にふと鼻先を掠めたことがあったので。

 7日。とにかく7日様子を見てから色々決めようと考えていたので、だから名前もつけていなくて。

 そうして。

 1日だけの我が家の猫を葬祭場に。

 犬猫、大小にかかわらず1万円の費用がかかりますが、お寺さんに合同で葬ってもくれます。庭に埋めるというのもありですけど、地面の固さもあるのでやっぱり正式に。

 名前もつけられないままの我が家の猫さんですが、虹の橋で安らかに。


 どたばたした2日間でした。

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― 新着の感想 ―
雨の道路で見つけた小さな命を放っておけず、先住の犬猫がいても抱き上げた優しさが胸に残りました。たった一日でも安心して寄り添える場所を得られた猫は、きっと救われていたと思います。
あああああ…。 ほろりきてしまいました…(涙) 猫さん、どうか虹の橋で安らかに。
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