あとがき:死体愛好家からの告白
皆さま、拙い作品を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
ゾンビへの偏愛が高じて物語を書いてしまいました。「またゾンビか」と呆れる友人たちをよそに、私のゾンビ愛は日に日に深まるばかり。腐敗した肉体が持つ美しさと哀愁、そして「死んでもなお動き続ける」というロマンチックな矛盾に魅了されています。
今回の『ハーフゾンビと私の実験的恋愛』は、夜中にラーメンを食べながら思いついた「ゾンビになりかけの芸人と研究オタクの女子高生」という奇妙な組み合わせから始まりました。普通のラブストーリーでは物足りない、でも単なるホラーでもない、そんな「生と死の境界線」で揺れ動く恋を描きたかったのです。
実は主人公のミサキは、私自身の高校時代の姿が色濃く反映されています。(さすがにここまでゾンビオタクではありませんでしたが。)教室の隅で解剖学の本を読み、クラスメイトから「変わり者」と呼ばれていた日々。そんな孤独な時間が、今の創作の源になっています。
タケシのキャラクターを作るときは、「死にかけなのに生きることをあきらめない」という矛盾した姿勢を大切にしました。諦めの良さと希望、その狭間で揺れ動く人間らしさ。私たちは誰もが、何かの「ハーフ」状態を生きているのかもしれません。
執筆中に最も苦労したのは、グロテスクな描写とコメディ要素のバランスです。リアルなゾンビ描写を入れつつも、読者が「気持ち悪い」で終わらないよう、あたたかさや笑いを織り交ぜることに腐心しました。第3章のオーディションシーンは、7回書き直しました!
「真実の愛がゾンビを治す」というクライマックスは、ちょっとベタかもしれません。でも、科学では説明できない「愛の力」を信じたい気持ちは、死体好きの私にもあるのです。生と死に魅せられるからこそ、その境界を超える力を夢見ているのかもしれません。
ゾンビ映画の参考資料は私の部屋に150本以上あり、研究ノートならぬ「観賞ノート」も10冊を超えています。友達からは「その情熱を恋愛に向けろ」と言われますが、ゾンビへの愛は不変です。(そして恋愛より長続きしています。)
これからも「死と生の境界」をテーマに、様々な物語を紡いでいきたいと思っています。次回作では「幽霊と科学者のプラトニックラブ」を構想中です!
皆さんからのコメント、感想、批判、何でもお待ちしています。特に「もっとグロテスクに!」というリクエストは大歓迎です!笑
最後に、いつも私の奇妙な創作を支えてくれる家族と友人たち(そして冷蔵庫の中の怪しげな実験材料に目をつぶってくれる同居人)に感謝を。
死んでも愛は終わらない——これからも皆さんと一緒に、生と死の境界線で踊り続けましょう!
腐敗愛好家より、愛を込めて。




