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退屈だよ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

本当は妹ちゃんにこれを書かせようかと思ったんですよ。

天は二物を与えず。あれは絶対に嘘だ。其れは隣に座る彼を見ていれば分かるだろう。

授業地は大抵寝てる。其れでもテストは常に満点。体育は何時もやる気は無さそう。其れでも動きは靭やかで足も早い。手先も器用で美術も手芸も機械弄りも何でも出来る。

兎にも角にも何でも持っている、神様に愛された生き物だった。私とは真逆の生き物だった。


今日も今日とて隣の超人と英単語の小テストを交換して採点を行う。授業中寝てばかりなのに、相変わらず全て満点だった。何時単語を学んだのか、覚えたのか、其れは不思議の一つである。

対する私は相変わらず半数しか点が取れていない。今回はそこそこ頑張って、テスト開始前まで単語を見ていたというのに、上手くいかないものである。

「なんで、何時もそんなに楽しそうなの?」

「はい?」

これが天才と話した最初の言葉である。天才の考える事は全く分からないと思った瞬間である。


隣に座る子は何時もバタバタしている子だった。表情は勿論、雰囲気までコロコロ変わる。頑張っても上手くいかない事の方が多いようで、そんな時には自分なりに考えて行動に移している。

今日もそう。どうやら英単語の小テストの点数が悪かった事を気にして居るようで、通学途中に単語帳を捲るだけでは飽き足らず、授業前にもする様になった。

ずっと困ったように眉根を潜めて、せっせと行動に移す様はそれなりに可愛かった。何だか楽しそうに見えた。だからちょっと、ちょっかいを掛けて見ることにした。

わざと机の上からシャーペンを彼女に向かって落とす。手を伸ばせばなんとか届きそうな距離なので、必死にノートを取っている彼女の肩に触れた。

「取って」

眉根を非対称に捻じ曲げて、非常に困惑した顔で此方を見る。数秒間こちらを凝視した後、手をだらりと下げて広い上げる。

そうして俺の机の上に乗せる時にこう言った。

「天才でも、楽に物をとる時には頭脳よりも人を使うんだね。何でも出来ちゃうから、退屈なのかな」

皮肉にも思われる様な物言い。恐らくこの間俺が言った言葉を根に持っているのかも知れない。其れでも悪気なく笑う様に興味を持った。退屈な毎日に光が差した様な気がした。

「退屈だよ。だから君が相手してよ」

万能超人が、隣に座る何も出来ない子に興味を持つ話が見たくて。

あんまり言いたかないですけど『おもしれー奴』という感じ。


何でも出来て退屈になってしまったからこそ、人が頑張る様を見て興味を持ちそうだなと。


眠い。寝よう。

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