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戦争、戦争、戦争!
血まみれ、戦火、狼煙!
悲鳴、哀号、絶叫!
俺の頭から出ていけ!
お前に何ができるのか見せてやろうか?今、魔族はすべての国に敵視されている。王国と帝国は既に国境に兵を配置し、外からの商路を断ち、連合都市も魔族に門を閉ざしている。災害は続き、人々は戦争への渇望を抑えている――
全部お前のせいだ!デクリンコ!
いやいや、火種は元々あった。俺はただ薪をくべただけだ。
お前がいなければ!
そうだ、俺がいなければ、魔族すら存在しなかっただろうな!ハハハハハ!
それは詭弁だ。
これは事実だ。今の魔族領を見てみろ、内憂外患、敵だらけだ。そして唯一の出口「生命の女神の心」も今は封じられている。お前に何ができるのか?
……
人々は苦しんでいる。もう時間がない。魔族が存続するためには、一つの道しか残されていない。
……
人々の苦しみに耳を貸さずにいられるのか?
……
無理だろう。皆、魔王が正しい選択をして、彼らを救ってくれることを望んでいるんだ。
俺は族人を救いたい……
そうだ、カディアン峡谷はとうに住む場所ではなくなっている。
領土を開拓する必要がある。
「戦争」がお前を助けるだろう。
戦争は███救いだ。
その通りだ!
戦争だ!略奪だ!殺戮だ!███!
全ては俺の民を救うためだ!
……違う!違う!
戦争が起これば全て終わりだ。魔族は――
略奪しなければ██魔族はより早く滅びるだろう!
戦争が必要だ……
全て俺のせいだ……
██がここまで落ちぶれるなんて……
そうだ、全部██(お前)のせいだ。俺(█)の軽率さがなければ、魔族がこんなにも制御不能になることはなかった。
今こそ埋め合わせをする時だ……
この機会を掴め……
戦争こそが民心の求めるものだ!
抗うな、これこそが正しい道だ。
あの甘やかされている種族たちに、魔族の怒りを思い知らせてやれ。
今お前は俺であり、俺はお前だ。
俺はブライディールだ。
――
「戦争」の権能には、意識を支配する強力な力があり、隙さえあれば相手の考えを瞬時に変え、自分のために使うことができる。
この日、魔族領は全種族に宣戦布告し、雷の如き攻勢で王国の国境の要塞を突破した。
カディアン峡谷では、「戦争」の力を帯びた魔物と魔獣がすべて隠密に各国の魔物・魔獣の群れに向かい出発した。到達すれば、戦争感情が引き起こされ、連鎖的に魔物暴動が誘発され、人間の集落を襲撃することになる。
これにより、戦争の号角は既に鳴り響いた。魔王は精神を安定させるために王城の奥深くで眠りにつき、最後に魔王に会った者は幹部――トローナ・ブライディールだった。