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半端者  作者: ランプ
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ファンタジー

最近すっかり秋めいてきて涼しくなってきたが


なんだか ぽっかりと穴があいたような さみしい感じもする


本屋に立ち寄って 気に入った本もなかったので 私は ふらりと 雑貨を買うために


近くの100均に立ち寄った


数年前は なんだか100均にはいることが 恥ずかしかったが


主婦となって3年が過ぎ 小さい子供もいる身にとっては なんの抵抗もなく 店に入れる


お菓子を入れる 小さな箱を見つけ ちょうどよい大きさのものが見つかったので


こんなささやかなことだけど それだけで さっき感じた さみしい感じも和らいでいた


結局 大きな問題を抱えてるわけではい主婦の気持ちなんて こんな程度かな?


そう考えると また急に 空しい感じが押し寄せてきた


家に帰り さっそく 箱に お菓子を詰めようと 箱を開けると


中に 小さな人形が 入っていた


きっと 誰かが 箱に 人形を入れて うっかりそのままにしてしまったのだろう


小さな人形は 木彫りで 私にでもすぐ描けそうな 単純な表情で愛嬌があった


「どうしよう お店に言ったほうがいいかな? 」木彫りの人形を手に取り 考えてると


「単純な顔で悪かったな」と 聞きなれない声がした


ちょっと高めの子供のような声で びっくりして 思わず振り返ったが 誰もいない


ぞっと 寒気がした


あわてて 人形をテーブルに置き 少し離れてみる


人形は だらんとした状態で 何も動きを見せない


「なんだったのかな・・・・・」 気持ち悪いという言葉を飲み込んで


やはり この人形は 店に返そうと思った瞬間 人形は 自力で立ち上がり


テーブルに座り 私を見つめた


あまりのことに 私は 大きな声を上げ その場にへたり込んでしまった


人生最大の 恐怖と言っていいほど 大きな悲鳴だった


人形は 相変わらずの無表情で 私を見つめている


身動きが取れず 固まっていると また あの声が聞こえた


「驚くのはわかるが 危害はない  こわがらなくていい」


どうみても この人形が喋っているようだ


「魂が宿った 人形はいくらでもいる わたしは 決して悪の存在ではない

  トトロやドラえもんと似た類いだ」

続けて こう説明した人形に 思わず笑ってしまった


人形は 片足を組み 動きもどんどん滑らかになっているように感じた


たまに 妖精をみたという話を聞くが この人形もそうなのだろうか?


恐怖は いつの間にか消え失せて あんなに大きな声をだしたにも関わらず


家には誰もいない時間で 近所の人も 駆けつける気配もなく 静まり返ってる


もし 強盗がやってきたら 私はおわりだろうなと 思ってしまった


「一体 なんなの?」


困惑している私に 人形は


「妖精の類と思ってくれていい 名前は まだない」


吾輩は猫であるのフレーズに似た調子でしゃべりだすので なんだか どっと疲れが出てきた


人形は 続けて こう言った


「あなたが 私を買ってくれたので しばらく世話になる」


「買ったって・・・・私は箱を買っただけよ 人形は知らないうちに入ってたの

世話になるって・・・そんなのこまるわ」

いきなりの人形の発言に 慌てて訂正したが


「箱を買ったのは あなたと私の巡り合わせだ 最初からそうなるべきことだったのだ

私は こんなに小さいし 場所も食事もとらない トイレもいかない 散歩もいらない

実に エコな家族の一員と思ってくれていい」


・・・・・・エコって・・・・・・・・・・・・


一言一言に 愛嬌があるので 恐怖は感じられず 気が抜けてきた


「私がいると 退屈な日々に ハリがでるだろう?」

表情は 変わらずとも この言葉を言うと少し首を斜めに上に向けて ニヤリと笑った気がした





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