表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【動物と人間の絆物語】

【プライドの高い猫と赤ちゃん。】

作者: 有馬波瑠海

こんにちは。有馬波瑠海(ありまはるか)です。(*´-`)


短編小説では、ほのぼのと、どこか懐かしくちょっぴり切ない物語を書いています。


今回の作品の主人公は、猫です。笑

よろしくお願いします。



有馬波瑠海(ありまはるか)のオススメ作品一覧。


◯短編小説◯


【おいらはスズメ。えっ名前?そんなのないない。】

https://ncode.syosetu.com/n1223gs/


【セキセイインコの俺様の最大のライバルはスズメ。】

https://ncode.syosetu.com/n2257gs/


https://ncode.syosetu.com/n2257gs/

◯長編連載◯(連載中)

【七世と森の少年】

https://ncode.syosetu.com/n1320gs/


 アタシの名前は、リッキー。

 今年で、15才になるのメスの猫よ。


 アタシは、人間のおばあさんとじいさんとマンションというところで三人暮らし。静かで暖かい暮らしをしていたの。でも、たまにこの家には他の人間もやって来た。そして、アタシに話しかけてきたり、アタシの体を触ろうする。


 あーぁ。嫌だ嫌だ。ほっておいて欲しい。アタシの体に触れようなんて、いい気になってるんじゃないわよ!


フゥー!!!シャアーーーー!!!!!!!


 威嚇(いかく)をする。家族以外の人に対するアタシの態度はいつもこんな感じ。


 すると、どういう意味かは、知らないけど、アタシの家族も、よそから来た人間も口を(そろ)えてこう言うの。




 リッキーは、本当にプライドが高いって。






 そんなある日のことだった。おばあさんとじいさんの娘が、なんだか小さい人間を連れて家に来たの。みんな、みんな、その小さな人間を大切に、大切に抱いていたわ。アタシの大好きなおばあさんも、アタシのことそっちのけで、その人間の世話をやいている。


ニャーン!ニャーン!ニャーオーン!ニャオーン!


 するとおばあさんは、アタシをソファーの上に呼んだの。アタシは、すぐにソファーに腰掛けるお婆ちゃんのところへ行ったわ。そして、見たの。おばあさんの腕の中にいる小さな人間を。その小さな人間は、なお子、と呼ばれていたわ。


 なお子は、ミルクの臭いがして、温かそうで、何よりも家族がなお子を見ると、とっても幸せそうな顔をしていたの。だから、アタシもこの小さな人間のことを守ってあげることにしたわ。


 この子がお昼寝をすれば、アタシも一緒に隣で寝て、よそから来た人間がこの子に何かしないか監視したし、この子が皆が見ていないところでイスの上に登ろうとすれば、すぐにおばあさん達を呼びに行ったわ。小さな人間の子守りをするのは、大変だったわ。どうして、あんなに体力があるのかしら?あっちへ行っては、危ないことをし、こっちに行っては転びそうになる。そして、たまにアタシのシッポを踏んだり掴んだり・・・。



んにゃあー!!!!!いたいニャア!!!!!!



 これじゃあ、おばあさん猫のアタシの体力がもたないって?そんなことは無かったわ、この子は普段は、おばあさんの娘とその夫と、違う家に住んでいて、たまにうちに来るくらいだったからね。


 でも、不思議ね。どうして人間って他人の家に来ると、仏壇(ぶつだん)というものに前足を合わせるのかしら・・・。そう、この子も、3才になる頃には、手を合わせるようになったわ。


 この子と出会って5年。アタシは、20才になったわ。5年間の間にこの子は沢山のことができるようになった。最初は、自分で動けなかったのに、いつのまにか、四足歩行ができるようになったと思ったら、いつの間にか二足歩行してたわ。

 

 それに、今までトイレというものが自分で出来なかったのにアタシがついて行ったら、自分でするようになったの。アタシのことだって、最初は見てるだけだったのに、いつの間にか撫でてくるようになったの。


   ニャーン!ニャーン!ニャーン!


 家族は、アタシがこの小さい人間になでられている姿を見ると、いつも驚いているようだった。この5年間で、あの子は色々なことができるようになった。そして、アタシは、その5年間であの子の成長を見届けることができたわ。本当に大きくなったわね。なお子・・・・・・。




 玄関で、あの子が、アタシに手を振ってくる。


「リッキー!!!!まったねー!!!!バイバーイ!!!!」




・・・ニャーン・・・・・。


 またね。アタシがいなくても、もう大丈夫。

立派な人間になるんだよ。なお子・・・・・・。


アタシは、閉じられたドアをいつまでもいつまでも、見つめていたわ。









 それから何日かして、なお子は、おばあちゃん家にやって来た。


「おばあちゃーん!来たよー!リッキーはー?」




 なお子は、家の周りを見渡す。




 誰もいないようだった。






 仕方なく、いつものように仏壇に行くと、今まで飾ってなかったプライドの高い猫の写真が飾ってあったとさ。





      



         おしまい

読んでくださり、ありがとうございました!

(。-人-。)(。-人-。)




有馬波瑠海の作品一覧



◯長編小説◯

【時雨の里】(連載中)

https://ncode.syosetu.com/n5101gr/


◯短編小説◯


【おいらはスズメ。えっ名前?そんなのないない。】

https://ncode.syosetu.com/n1223gs/


【セキセイインコの俺様の最大のライバルはスズメ。】

https://ncode.syosetu.com/n2257gs/



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ