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悪人転生して善を積む  作者: カメカメ
2章冒険
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36衝撃な出会い

あれから僕達は町の宿屋へ行き、2階にある僕とハルさんの部屋に荷物を置いてから、1階のロビーへ集まった。


「俺は少し前から滞在しているお父様の所へ、挨拶しに行ってくる。お前はゆっくりして良いぞ」


自由時間って事?

やったー!


「ありがとうございます。早速、行きたい所があったので行って来ます」


「あっ、ちょっと待て」


ルンルン気分で宿を出て行こうとした僕を王子は止めた。


「はい、何でしょう?」


止まって振り向いた僕に近づき、指輪を渡してくる。


「こいつをやる。指にはめておけ」


「指輪?」


「俺と会話ができる指輪だ。用事があったら、指輪に魔力を流してみろ、俺につがる様になっている」


王子は、キラキラした指輪を僕に渡す。


「ほぅ〜、綺麗ですね。頂いても良いんですか?」


「ああ、やるよ。お前は何かとトラブルに巻き込まれるからな。普段はイヤリングだが、俺が特注で指輪の形にしたんだぜ」


へー、王子僕を心配してくれているんだな。

我が儘なだけに意外だ。


「心配して下さるんですね、ありがとうございます。王子優しいんですね。そういう所、素晴らしいと思います」


この世界に来てから、色々な人が僕を心配してくれる。

それは凄く嬉しいし、ちょっとくさいけど心が暖かくなる。


自然に笑顔になってしまう。


「あ、ああ。お前は俺の専属治癒師だからな。な、なんなら本物のダイヤの指輪やってもいいぞ?くすりゆ」


「さあ、レヴィ様その指輪を中指にはめて行きましょう」


急に王子の会話をハルさんが遮った。


「おいメイド、俺の話しを遮るな!」


「王子が変なこと言うからですよ。レヴィ様、変態王子に襲われる前に行きましょう」


「えっ?あ、うん。行って来ます王子」


「おい!」


ハルさんに半ば強制的に背中を押されて、僕は宿屋を後にした。


「レヴィ様、行きたい所とはどこですか?」


シーサイドの賑やかな町を、歩きながらハルさんが聞いてくる。


「食材を売っているお店があれば見たいなと思って」


「食材ですか?」


「そう。この間ハルさん、僕の作ったパスタ美味しいって言ってくれたじゃない?」


「はい、とても美味しかったです。あれ程、美味しかった食べ物は初めてでした。あれ以降、いつもの食事は下の下くらいしか味を感じません」


めっちゃ誉めますね!

逆に嬉しいより、恥ずかしい。


「また、作って食べてもらいたいなと思ってさ。それに、もしかしたら珍しい食材もあるかなって」


「レヴィ様の手料理をまた頂いける。それは素晴らしいですね!確か、新鮮な食材を売っている所が港にあると聞きました。さぁ、行きましょう!」


僕の手を掴み、ハイテンションで何故かファイティングポーズを取り出すハルさん。


「う、うん。行こう」


時たま、あなたのテンションに着いていけないと思う今日この頃です。



宿屋から、まあまあ歩いた所に港があった。


「ここが、港」


僕は、港に来てすぐそんな言葉を口にした。

凄く賑やかな港で、やはりロサンゼルスにあるファーマーズマーケットにとても似ている。


「レヴィ様、凄い人混みなので手を離さないでくださいね?」


「うん」


ハルさんと手を繋ぎ、僕はマーケットの中を歩き始めた。


「何やら見た事のない食材がたくさんありますね」


「本当だね。あれは、モンスターの肉?需要あるの?」


マーケットの中は、たくさん他国の名産と思われる食材がたくさん売っていて、中にはモンスターの肉も扱われている。


「食べる所もたくさんあるね。今が夕方じゃなかったら食べたかったね」


「そうですね。食べ物すら珍しい物があります」


作っている工程や、匂い、看板の絵からしか察する事が出来ないが、前世でしか嗅げなかった匂いもする。


「あれはラーメンかな、あそこはポトフ、あっちは山菜の混ぜご飯だ」


いやー、たくさん食べ物がある。

って、いや。


「ん?混ぜご飯?えっ、嘘そんな出会いある?」


僕はまさか思ったが、混ぜご飯を作っていると思われるお店に足を運び、店員さに話しかけた。


「これ何ですか?」


「これかい?これは、俺の故郷にある伝統的な食べ物で、畑や山で採れた食材を米に混ぜた、混ぜご飯だよ」


やっぱりお米だ!


「うわー凄い!どこから見てもお米だ」


「レヴィ様、お米とは何でしょう?」 


ハルさんは、僕の後ろから覗き込む様に見ながら聞いてきた。


「お米とはね稲という作物から採れる食べ物で、育て方は暖かくなる少し前に、田植えといって・・・」


お米の存在が嬉しくなった僕は、ハルさんに自分が知っているお米の知識を話した。


「なるほど、大体分かりました。聞いていたら、少し食べたくなってきました」


お米の育て方、お米に含まれている栄養などを、ハルさんに教え終わると、興味を幾分か持ってくれたみたいだ。


「でしょう?食べてみようよ」


早速、僕は2つ混ぜご飯を頼み食べる。


「お、美味しいですね」


「うん、美味しいね」


一口食べて、美味しさからビックリするハルさんを横目に僕も食べた。

うん、美味しくて食が進む。


「あの、このお米ってどこで購入出来るんですか?」


ご飯を食べ終えた後、おじさんに聞いてみる。


「この米かい?んー、教えてやっても良いけど1つ条件がある」


「条件?」


「ああ。最近じゃこの食べ物も、外から来た人しか食べなくなってきてんだよ。だから、新しいメニューを考えてんだが中々、な」


おじさんが腕を組みながら困った様な顔で話す。


「混ぜご飯以外のご飯メニューはないんですか?」


「ない。むしろ、他に何があるか知りたいくらいだ。だから、お嬢ちゃんに新メニューを考えて欲しいんだ」


話しは分かった。

けど、


「何で私にその話しを振ったんですか?」


僕以外にも、故郷の友人に聞けば良い事だ。

それを、わざわざ僕に聞くなんて意味が分からない。


「それはな、理由は知らないが俺のいた故郷が、シーサイドを嫌がり始めて鎖国中なんだ。だから行っても、船から降りることが出来ないのさ」


「そうなんですね。すいません嫌なこと聞いて」


「いや構わない、気にするな。それに、そんな時に妙に米に詳しいお嬢ちゃんが来たから、頼んでみようかなと思ったんだ」


なるほどね。


「で、どうすんだ?この話し受けるか受けないか」


「その話しを、お受けします。よろしくお願いします」


「おう!美味しいの頼んだぜ」


美味しいお米を手に入れるために頑張るぞ!

書いていた途中に、文章が全て消えるという現象にあい、今やっと投稿出来た。


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