23王子再来
やっほー、皆元気?僕は元気だよ!
「どこを見て、何しているんですか?」
隣に寝ていた、ハルさんが聞いてきた。
「ハ、ハルさん。いや、何でもないです。あ、おはようございます」
やばっ、最近嬉しくて変なテンションになっちゃうんだよね。
「おはようございます。そうですか、なら良いんですが」
先日、エイトにカポの村に連れて行ってもらい、ハルさんにはアロマキャンドルを頂いてから、夜がもう本当にぐっすり眠れるようになった。
眠れなかった時、皆僕を心配してくれていたんだなと思うと、凄く胸が熱くなります。
ああ、本当に今世は良い人達に恵まれた。
ありがとう、女神様!
「ハルさん、今日は僕が朝ご飯を作りますね」
気分が良すぎるので、朝ご飯を作りたくなった。
「いえ、私が致します」
そう言い、キッチンに向かうハルさんを僕は引き止めた。
「今日は、ハルさんに僕の手料理を食べて欲しいんだ。まぁ、あまり上手ではないから親しい人にしか出せないレベルだけどね」
僕の話しを聞いた瞬間に、ハルさんは僕の両手を掴みながら言った。
「親しい人、分かりました。レヴィ様と誰よりも親しい私が手料理を頂きます」
「うん、任せてよ。頑張るからね」
「では、その前にお着替えしませんといけませんね」
「あ、だよね。よし、着替えてくるね」
「お供致します」
僕達は、着替えるため一緒にドレッシングルームへ向かう。
何か、ハルさんとは姉妹みたいだ。
◇
僕は、着替えた後にエプロン(何故かぴったりのエプロンをハルさんが持っていた)をし、早速キッチンに向かい料理をした。
「はい、ハルさんどうぞ」
出来た料理をテーブルに乗せると、ハルさんは少し驚いた顔をして僕を見てくる。
「これは、何ですか?初めて見ました」
「そうなの?ペペロンチーノという食べ物だよ」
へー、知らないのは以外。
あ、でも何気にお店にあるのパスタって、ナポリタンかミートソースくらいかもしれない。
「調味料は塩・レモン・こしょう・オリーブオイルをパスタに加えれば出来上がりだよ。て、作り方は別にいらないか、取り敢えずハルさん食べてみて」
「はい、頂きます」
ハルさんは、フォークでパスタを1口サイズに巻くと口に運び、咀嚼してのみ込む。
すると、また驚いた顔をした。
「美味しいですね!」
「やた!」
嬉しい。
思わずガッツポーズをしてしまうくらい嬉しい。
「では、僕も頂こうかな。頂きます!」
ハルさんの美味しいで満足した僕も、食事を摂ることにした。
◇
ビーッ、
朝食後、ハルさんと一緒に皿洗いをしていたら、呼び鈴がなった。
誰、こんな朝早くから?
ビーッ、ビーッ
「エイトかな?朝から何なのうるさいな」
「私が行ってきましょう」
ハルさんも同意見だったのか、玄関に向かうハルさんがちょっと怒っていた。
ガチャ、
「はい、どちら様でしょうか?」
「おいレヴィ、ドアを開けるのおそっ、ヒィー」
あれ、この声はもしかしてって、何でヒィーとか怖がってるの?
僕は、悲鳴が聞こえた玄関に行ってみる。
「あ、やっぱり王子。どうしたんですか、ヒィーとか言って?」
「あ、レヴィ。このメイドどうにかしてくれ!顔が怖くて敵わん」
は?ちょっと今のは聞き捨てならない。
「王子、今のは聞き捨てなりません。ハルさんのお顔は小さくて可愛いです!怖いわけはありません」
「嘘だ、こんな・・・あ、可愛いかもしれん」
ほら王子、だから言ったでしょうに。
「レヴィ様、玄関で立ち話しも何ですし、上がって頂きますか?」
ニコニコしたハルさんが提案してきた。
「そうだね。王子、お上がりください」
「ああ」
ハルさんに案内され、王子はソファに座る。
「それで、用件は何ですか?」
これからツライ修行が待っているのに、王子に構っている暇なんかないんだけど。
「あ、ああそうだ用事だ。今から海の町【シーサイド】に行くぞ」
「えっ?」