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悪人転生して善を積む  作者: カメカメ
2章冒険
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幕間ハルフィートとアロマキャンドル

最近、私のレヴィ様があのゴミ屑のような存在のゴブリンを、殺してしまった事で気に病んでいる。


それが原因で、毎夜その時の夢を見てしまい、起きてしまう。


「可哀想に。あんな息をしているだけで極刑の様な奴を殺してしまった為に、心を痛めてしまうなんて」


まぁその度に、あのきめ細やかな手を触れる事が出来るので、私は悪いことばかりではない。


しかし、このままではレヴィ様の小さな体がもたない。


そこで私は、レヴィ様がリラックスできる様な情報を集めるために、メイドの休憩室(天井にある通気孔)に張り込む事にした。


情報1

「カポの村に、外湯っていう所があって肩凝りや美容に効果があって、心身リラックス出来るらしいよ!」


「あ、聞いた事ある。でも、匂いがキツいらしいね」


「でも、美容に効果あるなら、1回は行く価値は有りだよね」


「「「あり」」」


情報2

「最近さー、私のご主人のー、目がいやらしくてー、ストレス溜まっててー」


「そんでそんで?」


「海に近いあの町なんて言ったっけー、まぁ良いや、その町にあるアロマキャンドルっていうのがあるんだよねー」


「そのアロマなんちゃらがどうしたのー?」


「これが、メンタル和らげるっつーかー、ストレスがー0ちゃんになるんだとかー」


「何それ、めっちゃほしーいー」


「でもー、遠いし金たけーからー買えねーの」


「ハッハッハッ、マジうけるー」


情報3

「あなた、この吊るされているコインをずっと目で追いなさい」


「え、何でですか先輩?」


「良いから。左右に揺らすから、目で追いなさい」


「わ、分かりました」


「よし、行くわよ」


「・・・」


「・・・」


「・・・先輩、何かボーッとしてきました」


「頃合いかしらね。よし、あなたはだんだん眠くなる〜、あなたはだんだん眠くなる〜」


「・・・くぅ〜、くぅ〜」


「出来た!これで、あの方もついに私の物になる!」



「ふむ、幾つか使えるのはありましたね」


外湯の件は、あの羽虫がカポの村にレヴィ様を連れて行くので、多分だが外湯にもお入りなるだろう。


本当は、私が一緒に行きたい所だが、同年代で行った方が楽しいだろう。

だから、今回だけはあの羽虫に譲ってやろうとおも思う。


今回だけは。


となると私は、海の町【シーサイド】で売っているアロマキャンドルを購入して、起きてしまう夜にレヴィ様が使える様にすれば、少しはリラックスしてくれるかもしれない。


「コインこの方法は、いつか使う時があるかも知れないので、その時まで取っておこう」


私は早速、使いの者を出し【シーサイド】へアロマキャンドルを買いに行かせる。


「ハルさん、今日ねエイトとカポの村に行って、外湯と言う所に入ったんだ」


夜、私はお風呂に入ったレヴィ様の髪を梳かしながら、今日の出来事を聞いていた。


「それはそれは、いかがでしたか外湯は?」


「良かったよ!しかも、帰り際にこれをくれたんだ」


見せてくれたのは、亀の石がはめ込まれたキラキラ輝くグリーンの輝くブレスレットだった。


このブレスレットを見せながら、可愛い笑顔で話してくるレヴィ様。


・・・レヴィ様に、こんな可愛い笑顔にさせる羽虫が憎らしい。

しかし、今回は手柄を譲った身、我慢するとしましょう。


「レヴィ様、私からも渡したい物が」


「えっ?」


ああ、この偶に見せるこの拍子抜けしたような顔。

とても、可愛い。


「どうぞ」


私は、うっとりしながら買い付けたアロマキャンドルをレヴィ様に渡す。


「わぁ、アロマキャンドルだ!」


「!」


何と、知っていたのですか。

さすがレヴィ様。


「はい、ご存知でしたんですね」


「うん、前にメイドさんから聞いていたんだ。でもお値段が高いから買えないって言ってた。こんな高価な物、貰っても良いの?」


「問題ありません」


あなたのために買ったのだから。


「あの、ハルさん」


「はい、何でしょう?」


「こんな高価な物、買ってもらって何だけど、今日の夜使っても良いかな。もちろん少しずつ使うから」


「どうぞ、少しずつではなく使い切って下さい」


「えっ、良いの?そ、それじゃお言葉に甘えて。どんな匂いするのかな。楽しみ」


レヴィ様から、待ちきれない感じが伝わってくる。

そして、ここから私も本当の野望が始まる。


「しかし、火を使うのは危険なので、私も一緒に寝ます」


そう、子供の火遊びは許しません。

名付けて、危ないので一緒に寝ましょう作戦です。


「えっ?」


「何か、火を使うんですよ?当たり前じゃないですか」


「でもほら、起きてたら大丈夫だし」


「これは、レヴィ様がリラックスして寝れる様、買った物です」


「いや、うん。ありがたいんだけどね、恥ずかしいと言うか何と言うか」


「女性同士、何か問題でも?」


「いや、ないけど。う、うん。そ、そうだよね」


レヴィ様は、少しの間もじもじした後、私を見て言った。


「わ、分かりました。よろしくお願いします」


私の方が背が高いため、意図せず上目遣いになるレヴィ様、控えめに言ってもすっっごく可愛らしい。


「ああ、可愛い」


「可愛い?」


しまった。

可愛いとか言って、私のキャラでは無いですね。


「いえ、何でも。さぁ、もう夜も遅いですので早く寝ましょうか」


「そう、ですね。ハルさんと一緒に寝るの緊張する」


私もです、まさかこうあっさりと一緒に寝てくれるとは。

アロマキャンドル、たくさん買い付けよう。


毎回見てくださっている方々、ありがとうございます。

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