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悪人転生して善を積む  作者: カメカメ
2章冒険
68/125

21温泉でお約束

お約束は大事!

微妙に整備されている林道を通って今、僕とエイトはおじさんに前を歩いて外湯へ案内してもらっている。


「外湯はいつからあるんですか?」


「お湯は前から出ておりましたが、外湯が出来たのは最近です」


「色々大変だったみたいだぜ、外湯を作るのには。まず、あの熱いお湯を留めないといけないしな」


と、エイトも僕の隣から言ってきた。


確かにね。

僕も、全然温泉の作り方を知らないから、大変だなくらいしか思わないけど、実際作った人は想像を絶するほど大変だっただろう。


あんな、酷い火傷を負うくらいのリスクがあるもんね。


そんな事を考えていたら、おじさんはこちらを向き笑顔で言った。


「そろそろ着きますよ」


「え、本当ですか!」


あー、期待と不安が入り混じる。

もし、温泉じゃなかったら、とうぶんの間立ち直れなさそう。


そう思いながら林道を抜けると、今度は石で作られている階段が見え下に降りられるようになっていた。


そしてその先には、


「お、温泉だ!」


僕は歓喜し万歳しながら叫んでしまった。


「温泉?違う外湯だよ。今更だが実は、ここに来る為にカポの村にお前を連れて来たんだよ」


ただ、温泉をうまく言えなかった事もあり、エイトはサプライズにしたんだとか。


「エイト、ありがとう!」


「うおっ」


僕はエイトに抱きついた。

今世で、ベスト3にランクインするくらい嬉しすぎる!


「あ、ああ。喜んでもらえて嬉しいぜ」


そして、そんな僕を見て、社交辞令だろうけどおじさんも喜んでくれている。


「治癒師様がそこまで喜んで貰えるとは、こちらとしても嬉しい限りです。階段を降りて右が女湯です、入り口に入ればすぐ更衣室があり、そのまま進めば女湯です」


「分かった」


おじさんは指をさし、教えてくれる。


「ささ、早速行きましょうか」


「うん」


「おいレヴィ、素が出てるぞー」


素が出てしまった僕を、エイトが指摘してくる。

いや、こんなに嬉しいのに体裁なんて保てませんよ。



「ほぉ〜、素晴らしい露天風呂だ」


あれから僕は、女子更衣室に行き服を脱ぎ温泉がある外へ出たが、時間が時間だからか誰もいない。


「すぐに入りたいが、まずは体を洗わねば」


本当は体は洗わず、掛け湯をしたら温泉へ入るらしいが、僕は湯船に入る時は綺麗な体で、と孤児院で慣らされているので、掛け湯のみはちょっと出来ない。


滑らない程度に早足で、掛け湯をし石鹸で頭と体を洗う。


「よし、完璧だ。いざ、入浴!」


まずは、足のつま先でお湯に触る。


「あちっ」


熱い、けどゆっくりと自分のペースでお湯に浸かっていき、最終的に仰向けで寝るような形になる。


「ん〜、・・・、ふぅ〜」


まだすこし熱いけど、徐々に慣れてきた。


「やっぱり温泉は気持ち良いなー。エイトに感謝だよ」


今度、メリルと一緒に入りに来ようかな。

あ、先にハルさん誘わないと怒るかな?

まぁ、取り敢えず今日はゆっくり温泉に浸かろう。


なんて考えながら、1時間くらいお風呂に入っていただろうか?

久しぶりの温泉という事もあり、結構長く湯に浸かっていた。


でも、さすがにもうそろそろ上がろうかという時、外からバタバタと騒がしく聞こえてくる。


「何かな?」


何かあったのかなと思い、お風呂から上がった僕は掛け湯をしに、行こうかと歩き始めたその時、事件は起きた。


ガラッ!


「おい、レヴィ大丈夫!全然出てこないけど熱さで倒れてるのか!?」


いきなり、女風呂に息を切らしながら走ってきたエイトと僕は対峙する。


「・・・えっ?」


んーと、あれ?

どーみてもあれエイトだよね?


「・・・へっ?」


あれ、何でエイトが女風呂に来てるの?

この世界では良いの?

いや、だったらそもそも女風呂なんてないよね?

てか僕、今裸じゃない?


「わ」


「わ」


「わぁぁぁ、何、エイト!馬鹿じゃない?ここ、女風呂だよね!要らないからこんな展開!」


僕は、隠した方が良いところを両手で隠しへたり込む。


「ご、ごめん!中々レヴィが風呂から出てこなかったから何かあったのかなと思って!今、出ていくから」


「Hurry Up(急いで)」


何故か出た英語だが、それはニュアンスでエイトにも通じたのか、転げながらもお風呂から出て行った。


エイトが出て行き、静まり返った女風呂で少しの間放心していた僕が出した答えは。


「・・・、お風呂入ろ」


またお風呂に入った。

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