18ワンピース
「カポの村?その村に何かあるの?」
と言うより、カポの村ってどこにあるかも知らないんだけど。
「カポの村は、俺が初めて任務に行った場所なんだよ」
「へー、そうなんだ」
そう言えば、いつの間にかエイト任務していた。
「それで、そこには何があるの?」
リフレッシュ出来る何かがあるのかな?
「それは、行ってみてのお楽しみだ。あ、でもこれはあくまでも治療とかじゃないからな。きっかけでもあれば良いなくらいの気持ちで頼むよ?」
「治療じゃないのは知ってるけど、教えてくれないの?」
「多分、想像しにくいと思う。だからレヴィも行って感じてみると良い」
想像って何があるんだろう。
気になる。
「分かった、行こう。でもさすがに今日は、僕外出の許可貰えないから明日でも良い?」
前の誘拐事件以降、午後から出す外出はハルさんが許可をくれない。
「OK。もし日帰りするなら、朝から行きたいんだが」
「聞いてみる、それも含めて今日のうちに返事するから」
「おう、じゃあ帰るか」
話しは終わったと、エイトは席を立った。
「話しは終わったけど、まだお茶しか飲んでないんだけど」
せっかく、スイスウィートに来たんだから、ケーキを食べなきゃ失礼に値するよ?
「はぁ〜、お前実は大丈夫なんじゃないの?」
呆れた様子で席に座るエイト。
失礼な。それはそれ、これはこれだよ。
◇
翌日
僕は、ハルさんに許可をもらい、先に待ち合わせ場所で立っていたエイトに声をかけた。
「エイト!」
「おお、レヴィ。って、どうしたその格好?」
エイトは、僕を見てすぐに服装に気づく。
今日は、ハルさんが気分転換にと真っ白のワンピースと麦わら帽子を選んでくれた。
「に、似合うかな?」
「あ、ああ。か、可愛いと思う」
「えへへ、ありがと」
いやー、正直ワンピースはちょっとと思ったけどね、今世は女の子だからね。
褒められると、なんかモニョモニョするね。
「あとね、耳にはイヤリングして貰ったんだ」
これまたハルさんが、僕の目と同じエメラルドグリーンのガラス細工(ダイヤではないと思う)付いたイヤリングをくれた。
「へぇ、あの人レヴィにだけは優しいもんな」
「僕だけかどうかは知らないけど、優しいよ。大好き」
「そう言えば、今日もハルさんはいないんだな」
エイトは、キョロキョロ探しながら言ってくる。
「うん、今日も何か忙しいみたい」
数日いないだけで、少し寂しいと思うのは気のせいかな。
「それは置いといて。エイト、今日はエスコートお願いします」
僕は、からかうつもりで両手でスカートを摘み少しだけ上に上げ、お辞儀をした。
そんな僕の姿を、エイトはボーッと見ていた。
「エイト?大丈夫?」
ハッと、我に帰ったエイトは胸を叩きながら言った。
「大丈夫だ!任せろ」
手と足が一緒だけど、ほんと大丈夫?




