幕間ハルさんの目
ハルさんの話しを初めて投稿しました。(多分)
何回も何回もボツにしながら書きました。
いつか、納得できるハルさんの過去話しを書きたいです。
「ハルさん、ちょっと良いかな?」
腰まである綺麗な黒髪で、愛らしいお顔、そのお顔にある宝石の様なエメラルドグリーンの目をした少女レヴィ様が私に声をかけて来た。
「はい、いかが致しましたか?」
「あの、師匠から聞いたんだけど・・・」
レヴィ様は、少し言うのを躊躇った後、意を決した顔をし、私に言った。
「目が見えないの?」
少し切なさそうな顔をし、言ってきたレヴィ様に私は素っ気なく言い返す。
「ああ、その事ですか。はい、とある任務中、仲間の裏切りに合い、目を呪われ見えにくくなっています」
「治せないの?その呪い解くことは出来ないの?」
「今現在、リア様が色々頑張って下さっていますが、呪いを解くには至っていません」
「今どれくらい見えるの?」
「今は、そうですね・・・、この距離からはもうよく見えません」
私は、レヴィ様から約1mくらい離れたところで言った。
「ええっ、今までずっとその距離から見えなかったの?」
「いえ、徐々にですね。依然は、もう少し見えていたかと思います」
「そ、そうなんだ」
レヴィ様は大変驚いていた。
「しかし、私は暗闇で仕事をする事も多々あったため、空間把握能力はもちろん、人の気配・心臓の音などで誰が誰か分かります」
「ハルさんの前のお仕事内容が気になる」
「特に大した事はしてません、ただのひそひそ話を聞いたりする野次馬みたいなものです」
レヴィ様は、絶対ひそひそ話しのベクトル違うでしょ、など言っていました。
私からしてみれば、口は災いの元なのでどちらも大差無い。
「なのでそこまで目が見えにくい事に不便は感じていません」
「なんで、目を呪ったのかな?」
「分かりません」
「レヴィ様、昔話は終わりです。それより、王子の奇行の対策を立てましょう」
私は話しを変える事にした。
何故なら、目に呪いをかけられた事の詮索をこれ以上されたくないからだ。
実は、目に呪いをかけられた理由はある。
しかし、この理由を知ってしまったら、レヴィ様の命を狙われる恐れもある。
それだけはどうしても避けたい。
「では、まず声を出すタイミングや仕草のパターンを決めましょか」
「うん、たく馬鹿王子め」
この愛おしい存在を守りたいから。