16走れ女性達
書く時間が無くて、急ぎで書きました。
もしかしたら、あとで読み直して内容は変えずに文章を変えるかもしれません。
僕が洞窟から出て走り出すと、ラウン様とマナハさんも、戦闘態勢に入りながらついて来てくれる。
『ギィ?ギギャ!』
洞窟を出て数秒で、1体のゴブリンが僕に気が付いて走って来た。
こっちだ、ついて来い。
『『ギャギャギャ!』』
僕に気付いたゴブリンを境に、他のゴブリン達も僕目掛けて走って来た。
僕は、女性陣とあらかじめ決めていたルートを通り、ゴブリンに捕まらないよう走る。
「皆、なるべく沢山の石を集めて下さい」
僕達が決めていたルートは、直線距離を集団から逃げるには、やはりリスクがあり過ぎるので、障害物を駆使しぐねぐねした道を走る事にした。
しかし、
「やっぱり、僕より身長があるゴブリンは追いついてくるよね」
ゴブリンは、大体150㎝くらいの身長だ。
大半は僕より身長は大きい。
なので同じくらいの身長には走り勝てても、僕より大きいゴブリンには徐々に距離を詰められる。
「ヤバッ、追いつかれる!」
僕は、1体のゴブリンに捕まりそうになった。
だが、
「喰らえー!」
バシュッ!
『グギャァ!』
「ラウン様、ありがとうございます!助かりました」
「任せろ」
ラウン様が、渾身の袈裟斬りでゴブリンを斬って倒してくれた。
あれ、そう言えばマナハさんはどこだ?もしかして、戦闘中だったりするのかな?
キョロキョロと、僕はマナハさんを探す。
「マナ・・・ハ、マナハさん?大丈夫ですか!」
そこで僕が見たものは、洞窟の入り口近くで倒れているマナハさんだった。
ちなみに、ゴブリンに何かされた様子はない。
な、何かあったのかな?
「ああ、あいつなら皆で洞窟を出た早々、走るのをギブアップしていたぞ?ゴブリンに襲われる様子がなかったから、放置して来た」
隣で護衛をしてくれているラウン様が、呆れた様子で言ってくる。
「そ、そうですか。でも、襲われなくてよかったですね」
「当たり前だろう?お前が洞窟から抜けた時点で、ゴブリンの標的はお前になったんだからな」
「という事は、やはり男性なんですね」
改めてマナハさんは、男性だったと思い知らされた。
◇
「只今帰りました、皆さん補充はどうでした?」
僕は、洞窟に帰ってくると戦利品を聞いた。
「あ、ああ、籠城を始めた時の1/4くらいしか集められなかった。すまん」
王子が申し訳なさそうに謝って来た。
「いえいえ、むしろよく集めましたね。素晴らしいと思います!」
正直言って、そんなに長いルートを走ったわけではなかったので、もっと回収出来ないと思っていた。
「お、おい、俺はどうだった?格好良かったか?」
近場にいたラウン様が、ソワソワしと聞いて来た。
「えっ、当たり前じゃないですか。格好良かったですよ!ラウン様がいなかったら、私の貞操が大変な事になっていたしたから」
考えただけでも全身鳥肌もんだ、本当助かった。
「おい、お前ら。そんな話しは後にしろ!今は戦え」
レド様以外の皆は、籠城作戦の作業はしていたが、この状況を忘れて和んでしまっていた。
◇
「次は、シムさんお願いします」
「は、はい」
あれから、また備蓄が少なくなってきたので、次の囮り役をリーラさんにお願いし、護衛役を王子とレド様にして残りの人達で、石、出来れば鉱石を集める。
そして、また備蓄が少なくなってきた3回目、僕はシムさんに囮りをお願いした。
本当は、シムさん凄くびくびくしていたので、任せたくはなかったが、僕はまだ走る体力が回復しきれていなく、シムさんにお願いするしかなかった。
「い、行ってきます」
「はい、護衛もついてるので大丈夫ですからね!」
「はい」
シムさんは、おぼつかない足で洞窟から出て走り始めた。
その時、
「きゃあ」
「「あ!」」
シムさんが洞窟を出てから、すぐの所で転んでしまった。
ゴブリン達は、転んだシムさんに嬉々として群がり始めた。