15籠城作戦開始
ゴブリン、鋭い爪を持つ人型のモンスターで、雄しかいなく、頭は悪いが集団で行動し相手を追い詰める。
女性が大好きで、女性を前にすると捕まえる事だけが目的となる。
捕まった場合、如何わしい行為をされゴブリンの子供を産ませようとする。
残虐で慈悲などなく、男性には死ぬまで暴力を振るらしい。
人が死ぬと、興味がなくなり放置してしまうため、動物やモンスターが死体を求め群がり始めてしまう。
そのため、人里でゴブリンが発見されると他のモンスターもいると言われる。
なので、最優先で討伐されるモンスターでもある。
と、カークさんにゴブリン発言して少し経った後に、ハルさんから聞いた。
「今思うと、カークさんにゴブリンとか、酷い事言ったな」
ちょっと、いやかなり申し訳ない。
帰ったら謝ろうと思う。
「おいレヴィ、早く石寄越せ!」
はっ、今それどころじゃなかった。
「王子、はいどうぞ」
王子は、乱暴に石を掴み投げる。
ビシッ。
『ギャ!』
「凄い、王子命中しました。カッコいいです!」
「ホ、ホントか?おし、どんどん石を寄越せ!」
今、僕達はゴブリン相手に籠城している。
「おら!」
バシッ。
『ギャーー!』
「レド様も当たれば威力が強いので、何回か当てれればゴブリン倒せますね!」
「ふっ、当たり前だ」
さっきから皆が投げているのは、そこら辺に落ちていた石だ。
あれから僕達は、洞窟の入り口に簡単なバリケードを作った。
そして、採掘に使う物品(多分、発掘再開した時のために残していた物品)、鉱石を集めて、武器の代わりになる道具を作る。
その後、石も投石ように集め、準備万端にし敵が来るのをじっと待った。
やがて、探しにきたゴブリンに見つかり、籠城作戦が始まった。
「あ、ツパン様2時の方向から敵が来ます!」
「任せろ、てやっ!」
ブスッ。
『アギャャ』
投石をかい潜りこちらに来たゴブリンにはツパン君とラウン君が武器で倒す。
良い調子だ!
このままいけば、もしかしたら籠城していれば勝てるかも。
何て振りは絶対しない!
フラグは立てちゃいけないものだ。
「おいレヴィ、このまま籠城してれば勝てるんじゃんブッ」
僕は思いっきり馬鹿王子の口を塞いだ!
マジで、何で僕がフラグを立てまいとするのに君が立てるかな!
そうか、これも今時のお約束だ。
忘れてた。
「お、おい!投石用の石が無くなってきたぞ!」
レド様が少し焦った様な顔をして僕に言ってきた。
「ほら、すぐにヤバくなったじゃん」
見たことか!
「何を言っているんだ?」
「あ、いや、石ですね。女性陣の方、お願いする可能性が高いので心の準備しておいて下さい」
ごめんなさい女性陣の方達。
「くっ、仕方ない。生き延びるためだ、やってみせる」
リーラさんが男前なセリフを吐くが、やはり怖いのか体が震えている。
「やはり、やらなきゃいけないのでしょうか」
はい、シムさん。
可能性は高いです。
「初めは私が行きますね。私の通るルートをしっかり見ていて下さい」
僕も今からやる事は怖い。
でも、やらなきゃ籠城が出来なくなってしまう。
それから、そう間を置かずにその時が来た。
もうダメだ、怖いけど・・・、やるぞ!
「ラウンさん、マナハさん。今から僕相手の周りを走ります。逃げますけど、捕まりそうだったら助けて下さい!」
僕が考えた、女性陣だけができる作戦だ。
ゴブリンは女性が大好き、だから僕がこの洞窟から出れば、僕に気が付いたゴブリンが追いかけてくるはず。
その間に手の空いている人が、物品・石を補充する。
「な、お前。俺達なにも知らされてないぞ!」
ラウン様が怒り、マナハさんが驚いていた。
「お願いしますラウン様、私全力で走りますから守って下さい!」
「俺が、お前を守る?女を守る?」
大丈夫?
何か顔がにやけ出したけど。
「任せろ、お前は安心して走れ」
やる気でたの?
まぁ、何でか知らないが女性を守るのが好きなんだね。
「ありがとうございます」
「マナハさんもお願いします」
実は、1番期待してるんだよね。
年も僕達の倍あるし、男性なら力もあるよね。
「分かった、任せなさい!」
おお!
とても、頼もしい。
「では、行ってきます!」
僕は、今までで鍛え上げてきた脚力を見せつけるだけだ!
レヴィは、洞窟から全力で走り出した。
あと数話投稿したら、幕間書こうかなと思います。