14逃げる
か、書けない!プロットはあっても上手く書けない。
ちょっと、他の作者様の小説を読んで勉強してきます。
『ギャギャ』
『ギャギャギャ』
『ギャギャ』
「おい、どうする。入り口までゴブリンがいたぞ?」
王子が、僕に話しかけてきた。
が、僕はそれを聞いてないフリをする。
「ど、どうする、レヴィ?」
同じ状況に置かれている僕だって、どうしたら良いか分からないんだから知らないよ。
「フンッ」
「さっきは悪かったよ。許してくれ」
あの後、僕達治癒師はもう少しで出口という所で、逃げた王子とボンボン3人組連中が戻ってきた。
どうしたのか聞いたら、入り口にはゴブリンが3体、待ち受けていたらしい。
確かに、ゴブリンらしき声がする。
「とにかく、あの声が聞こえなくなるまで一端引き返しますか」
あっちの声が聞こえるんだ、もしかしたらこっちの声も聞けてるかもしれない。
そう言い引き返していたが、少し行ったところで、僕達が来た道からもゴブリン達が4体、押し寄せてきてきたのだ。
だが、不幸中の幸いとでも言うのか、壁際を沿って逃げていたため、脇道を見つけ逃げ切る事に成功、開けた場所に着いた。
「あ、あそこに洞窟があるぞ!あそこで休まないか?」
王子が、人数分くらい入れる洞窟を見つけ、僕達はそこに避難する。
ついでに、僕はずっと知りたかった皆の名前を聞いた。
いざという時のために、曖昧な呼び方とかは危険でしか無い。
えーと、
赤髪がレド、その治癒師さんはリーラさん
金髪がツパンその治癒師さんはマナハさん
茶髪がラウン、その治癒師さんはシムさん
ちなみに王子アイル、治癒師はレヴィ」
だね。
「おい、これからどうすんだ?」
ツパンが僕に聞いてきた。
「えーと、僕達はこれから籠城をします」
皆が、は?となる。
「おい、この馬鹿治癒師!籠城なんてしたって、それを耐える為の武器・食糧がないんだぞ」
お、意外と赤頭いやレドさん考えているんだね!
でも、
「何も考えずに、籠城とか言うはずないじゃないですか。ちゃんと勝算があるんですよ」
「え、それは一体どうやって?」
「それを教えると、気が緩んで勝てる戦いも勝てなくなるので言いません。しかし、女性陣には言います」
それを聞いていた、ラウンが激怒しながら吠えてきた。
「おい、それは卑怯だぞ!教えるなら皆に教えろ!」
「さっきの言葉聞いてました?男性陣は、作戦を聞かなければ勝算は高いんですよ。でも、女性陣には伝えないといけない。意味が分かります?」
「それは、私達は何かしなきゃと言うことか?」
リーラさんが恐る恐る聞いてくる。
「はい、最悪な場合ですが。女性陣にはこちらに来て頂けますか?」
女性陣が、僕の下に集まってくる。
あれ?
「マナハさん?集まって下さい」
マナハさんは、えっ?みたいな顔をした。
「いや、私男ですけど」
「・・・、嘘はいけませんよ?」
絶対嘘だ、そんな綺麗な顔をした男性がいてたまるか!
「いや、本当だ。俺の所に治癒師は、この男しかいない」
マジですかツパンさん!この方が男性?
嘘だよね?僕は周りの人達を見た。
皆は知っていたようで、僕と目が合ったシムさんなんかは、私も初めは女性だと思っていましたとか小声で言っていた。
「えーー!」
ゴブリン達に気付かれないように、しかし隠しきれないビックリの状況に、僕は絶妙な音量の声で驚いたのだった。