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悪人転生して善を積む  作者: カメカメ
2章冒険
57/125

13ゴブリン

いよいよ、奴が現れます。

「あと、どれくらいで着くんだ?」


王子がちょっと不機嫌になりながら赤髪に聞く。


「ここら辺だと思うんだが」


赤髪は、地図を広げ指をさし方向を確認しながら鉱山を探す。


「あ〜、疲れた。おいレヴィ、水」


「どうぞ」


王子は、僕が差し出した水袋を受け取ると、乱暴に蓋を開け水を飲み始めた。


おい王子、ありがとうはどうした?


「俺も喉が乾いたな、水くれ」


茶髪も、僕達に習って後ろにいた治癒師さんに水を要求する。


「すいませんが、ありません」


治癒師さんは申し訳なさそうに頭を下げた。


当たり前だ。

僕達は治癒師、メイドさんじゃないから、いちいち人に気を回しながら動ける訳がない。


メイドさんって、実は凄いんだからね。


ちなみに、僕がなぜ水袋を持って来てるかと言うと、僕は施設長との将来を考え、ハルさんの手解きを少し受けているので、やれている。

出来る嫁プライスレス!


だが、そんな治癒師さんに茶髪は苛立ち始める。


「おい!何で持って来てないんだ?普通、お付きなら持って来るもんだろう!」


いや、お付きじゃなくて治癒師だから。

茶髪が揉めていると、近くからも声が聞こえて来た。


「あー、もう!」


「す、すいません!」


「水飲みたいんだよ!分かる?み・ず」


金髪の方も同じ事で揉めていた。


それを見た王子は、気分が良くなったのか、揉めている2人に言う。


「ハッハッハ、君達教育がなってないよ?俺んとこはほら、俺の事大好きだからな。おい、レヴィ皆に水を分けてやれ」


おい、だから誰が大好きだなんて言ったんだよ!教育もされた覚えもないわ。


しかし、返ってきた返事は、


「え、人の口つけたものはダメだってママが・・・」


「お、俺もだ。下手したら死ぬ可能性があるからって」


2人は、親にそう躾けられているためか、水を飲むのを断った。


「に、人数分の水なんて無いかな?」


茶髪は、ダメ元で王子に聞いてくる。


「な、何?水を人数分なんて」


チラッ、


こっち見るな。


水を皆の分何て・・・、あるんですよね、これが!

ハルさんが、王子の周りは類友だから何かを用意するなら、人数分用意した方が良いと言っていたんだよね。


「人数分の水袋を持ってますので、1人1袋どうぞ」


「マ、マジか。人数分用意するなんて気が効き過ぎじゃないか?」


「王子、一体どんな教育してんだ?」


2人は、水を諦めていたみたいだったみたいだが、僕が人数分の水袋を差し出すと、喜んでいた。


当然、王子は


「ハーハッハッハ、君達の付き人とは訳が違うんだよ!」


両手を広げ空を見ながら叫ぶ王子、僕はそんな王子を見て笑顔になり思った。


お前何もしてないだろバーカ。と


「あった!あそこだ、皆見ろ!」


僕達が、そんなやり取りをしていたのを他所に、赤髪は一生懸命に探していたらしく、鉱山を見つけてはしゃいでいた。



ここが鉱山か、なんか。


「怖いですね」


僕は、思った事を声に出してしまった。


「ハハハ、お前は何の訓練も受けてないからな、中からモンスターが現れたらいちころだろう。後ろから俺の服を掴みながらついて来な」


王子カッコイイ!


なんて思うかバーカ!


そもそも行かなきゃ良い話なんだから、お分かりですか?


しかし、僕は大人。


「王子、ありがとうございます」


現実で、そんな事言ったら後々大変なのでニコニコしながら王子に従った。


あー、王子といると心が荒んでいく!


「おい、置いていくぞ?」


「今行く、さぁレヴィ!」


「・・・」


何、自分に酔ってるんだか。


僕達は、鉱山の中に恐る恐る歩いて行く。


廃坑と言っても、前世の記憶が確かなら管理人さんみたいな人がいるはず。


しかし、明かりも所々しか付いていなく、僕達が簡単に中に入れた時点で管理がずさんだ。


そして、さっきから何だろう。


この全身のムズムズ感は、他の治癒師さん達もソワソワしているから同じ感じなのかも。


馬鹿達は、何も感じないのか「かっけー」とか、すげー」とか中身のうっすーい感想を言っていた。


その時、


『ギャギャギャ!』


なんか出た!

人なのかな?いや、多分モンスターだよね。


「お、王子、この方は知り合いですか?」


王子に一応確認してみた。


「お、王子?」


王子の顔を見るために上をみたら、王子は顔を青くし固まっていた。


「ゴ、ゴ、ゴブリンだー!逃げろー」


王子は、ゴブリンからダッシュで逃げた!


「王子ー、待ってくれ!」


「退却、退却ー」


「何でモンスター何かいるんだ、逃げろ」


3馬鹿トリオも、僕達治癒師を置いて逃げた。


「ええー、さっきのカッコイイ言葉はなんだったんですかー!」

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