12知りませんからね
王子と、ボンボン3人組の昼食会が小1時間経った頃、赤髪が変な事を言い始めた。
「なぁ、城の近くにアデラ鉱山の跡地があったよな?」
アデラ鉱山の跡地?
へ〜、お城の近くにあるんだ。
アデラ鉱山とは、僕が生まれる前までは、沢山の鉱石(何のかは知らない)が取れていたが、色々な理由で廃坑になったと本に書いてあった。
「行ってみないか?」
赤髪は行く気満々の様だ、しかしさすが馬鹿でも王子のようだ。
「危なくないか?お前ら貴族が、そういう事して怪我したら問題になるぞ?」
貴族という者は、色んな方面に支援していたりするので、権力・影響力があり、それは城の者でもそれなりの地位がない人はヘコヘコするくらいだ。
なので、そんな人達の子供が怪我なんてして、親御さんが怒ったら大変だ。
「王子、そのための治癒師なんだ」
「そうそう、だから今回は治癒師なんだぜ」
金髪と、茶髪も乗り気のようだった。
てか、そのための治癒師って、始めから鉱山に行く事が目的だったのか。
それは、他の治癒師も一緒だったようで、一生懸命止めるよう言っていた。
「・・・、よし分かった。行こう!1度、そういう冒険をしてみたかったんだ」
なに乗り気になってんの!
治癒師は、何でも治せる訳じゃないんだよ!
「お、王子、不味いですよ。私達は、体から離れた部位はくっつけられないし、目とか繊細な部位も怪我したら治せないんですよ?」
「なら鉱山入った所までなら、危険はないだろう?」
「ありますよ!お忘れですか?去年にオークが歩き回っていたのを」
僕、大変だったんだから。
「今はいないんだろう?報告でもそう受けている。問題ない」
「よし、決まりだな!」
「「おう!」」
あの3馬鹿トリオめ!
王子が、城から抜け出すならこっちだと言って、3馬鹿トリオを案内し始めた。
「もう、知りませんからね!」
僕は、何処かにいるであろうハルさんに聞こえるように、大きな声で言った。