10呼ばれる理由
何とか投稿出来ました。
「と、いう訳で、王子が私を専属の治癒師にしたいと言ってきてまして」
僕は、訓練場での修行を終えた後、師匠のもとへ行き王子とのやり取りを説明した。
「え、明後日パーティーなんかあったかしら?」
え、ないの?
「でも、確かにそう言ってましたよ?」
師匠は、少し考えてからハルさんに話しかけた。
「ハルフィート、何か知ってる?」
「私は、レヴィ様の身の回り以外は分かりません。調べますか?」
「お願い出来るかしら、大事なパーティーだったら私も出席しなくてはならないから」
「では、行ってきます。レヴィ様、私が来るまでこの部屋から出ないで下さい」
「なんで?」
「大丈夫よ、絶対この部屋から出さないから」
え、僕に決定権はないの?
「御意」
シュッ。
「消えた!」
目の前からハルさんがいなくなった!
「ハルフィートはいつもこういう風に消えてるわ」
忍者かいな!
◇
シュッ。
「お待たせしました」
「うわっ、ビックリした!」
今度は、いきなりハルさんが僕の隣に現れた!
「なんのパーティーだったの?」
え、師匠なに事もなかったかの様に話しを進めるの?凄いね、その神経。
「結果から申しますと、明後日はリア様が出席する様なパーティーは、ありませんでした」
「そう。でも、王子は何かあるのね?」
「はい、パーティーとまでは言いませんが、王子はよく一緒にいらっしゃる貴族様達と、昼食会があります」
「という事は」
「はい。恐らくはその昼食会に、レヴィ様を何らかの理由で、連れて行きたいものと思われます」
んー、パーティーと昼食会の違いがよく分からない。
「とにかく僕は、その昼食会に出れば良いんですか?」
そんな仲間内の食事会で、毒殺されるとは思わないけど。
「別に行かなくても良いわ」
行かなくても良いの?
「あの子らは偶に集まって、色んな自慢大会をするのよ。大方、今回は治癒師にまつわる自慢をしたいんじゃかいかしら」
ああ、そういう事か、くっだらない。
まぁでも、僕にはなかったが、確かに前世で男達はよく誰が喧嘩強いかとか彼女がどうだとか自慢していた奴いたね。
なら、
「行かないと、後々面倒になりませんかね?」
くだらないプライドをかけた自慢話しなら余計に。
「そうなのよね。多分、行かなかったらあの王子うるさいわよね。でも、その時は私が何とかするから、レヴィは気にしなくても良いわ」
ありがたいが、師匠の手は煩わせません。
「いや、行きますよ」
昼食会なら、そんなに長時間やらないだろうしね。
「そう。もし、嫌になったら私の名前出して退席しても構わないから」
「ありがとうございます」