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悪人転生して善を積む  作者: カメカメ
1章治癒師
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39ありがとな

バシッ。


「何やってるんだレヴィ!指示があるまでは待機。これは絶対な筈だぞ!」


「すいません」


ジャイアントタイガーを倒した後、カークは走ってレヴィの下へいき平手打ちをした。


「何で、指示が無いのに動いたんだ?場合によっては全滅のリスクだってあるんだ、バカな言い訳をしたら今度は殴るからな」


「お、おい、そこまでは。レヴィは、お前を」


助けようとしたんだぞ。とドマが言いかけた時、トリス隊長に手で制された。


「気持ちは分かるが、必要な事だ」


「しかし、・・・、はい」


ドマは仕方なく引き下がる。


「カ、カークさんが、噛まれて死んじゃうんじゃ無いかと思って、飛び出してしまいました」


レヴィは、左頬を抑えつつ涙目で言った。


「その行動1つで、お前死んでたかもだぞ?いや、トリス隊長がいなかったら死んでた」


「そ、それでもカークさんが死んじゃうのは嫌だったんです」


ここまで、ずっとそばにいてくれて優しくしてくれていた人が、いきなり居なくなると思うと、恐怖とよく分からない焦燥感になる。


なら、それなら僕が犠牲になった方が良い様な気がした。


「命令違反は、重犯だ。さっきも言った様に全滅のリスクが上がる。絶対してはいけない行為だ」


しかし、そこでカークはレヴィを抱きしめた。


「でも、ありがとうな」


「はい、でもすみませんでした」


レヴィも耐え切れなくなり、カークの胸で静かに泣いた。



「隊長、そろそろ起こしません?」


カークは、背中で寝ているレヴィを見ながらトリス隊長に聞く。


「ダメだ。城まで必ず連れて行け」


あの後、レヴィがカークを回復させてから森林を出た所で少し休憩をとった。


すると、レヴィはそのまま眠ってしまったのだ。


初めは、起こそうとしたが全然起きなく、仕方ないので、すっかりプチ保護者になっているカークが、おんぶして帰ることになった。


「はぁ」


カークも、俺もそれなりに疲れてるんだけどな、などぶつぶつ言っていたが、誰も気にしない。


「お、城が見えてきたぞ?この任務が終わればレヴィとも合わないかも知れん。寂しいか?カーク」


ドマがからかい半分でカークに聞いてきた。


城には何万人と兵士がいる。


勿論それは、遠方に勤務している兵士も含めてだ。


今はまだ、治癒師は数少ないので合うかもしれないが、数が少ない分争奪戦になると予想される。


もしかしたら、上の判断では治癒師の同行は、やはり無しとなる可能性もある。


「別に何とも思ってないです」


そう言いながら、おんぶしている手を少しだけ大事そうに力を入れ抱えた。

次で、1章として区切りがつきそうです。

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