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悪人転生して善を積む  作者: カメカメ
1章治癒師
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36レヴィの失態

僕は、負傷していた人達の所に来てヒールをかけていた。


《ヒール》


「あとは、回復必要な方いますか?」


「いや、いないかな。ありがとう、おかげさまで皆、誰も死なずに済んだよ」


皆、各々お礼を言ってきた。


「いや、お礼なんていりませんよ」


めっちゃ照れる。


「さ、さぁ、退避しましょう?身体は治っても、血は戻りませんから」


「そうだな。よし、カークがジャイアントタイガーを引き付けてくれている間に逃げますか」


「「「おー!」」」


僕らは、木の窪みから外に出て、退避するためにジャイアントタイガーを確認するために見た。


すると、カークさんが左肩を噛まれていた。


「カ、カークさん!」


僕は、カークさんの所に走り出そうとしたが、後ろからドマさんに掴まれた。


「待つんだ!君の役目はもう終わったんだ。あとは、指示があるまで待機だ」


「い、嫌だ!このままじゃカークさんが死んじゃう」


僕は、掴まれた手を振り解きカークさんの所へ走り出した。



「いってぇー。まだそんな力あったのかよ」


『ガルル?』


「何だ?ピンピンしてるのが不思議か?こちとら、防御がない分な体を鋼のように鍛えてんだよ。確かに痛いが、我慢の範疇だ。そしてお返しだ!オラァ!」


カークは、動く右手で戸惑っているジャイアントタイガーの左目に剣を突き刺した。


『アギャャ』


そのまま更に目を抉り、頭の方向へ剣を上げようとした時、


「カークさん!カークさん!今治しますから死なないで‼︎」


レヴィが走ってきた。


ジャイアントタイガーは、レヴィの声に反応し力を振り絞り、カークから離れレヴィの所へ走る。


「レ、レヴィ逃げろ!」


「え?」


しかしカークの声が届いた時、すでにジャイアントタイガーはレヴィ捕捉し喰らおうとしていた。


「ッ!」


レヴィは、今から噛まれて死ぬかもしれない覚悟しながら目をつむる。


ギィィン


何かと何かがぶつかる音がした。


レヴィが恐る恐る目を開けると、そこには盾で相手の攻撃を凌いだトリス隊長がいた。


《ファイヤーソード》


トリス隊長がスキル名を言い、剣が一気に燃えるとジャイアントタイガーの顔を真っ二つにした。


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