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悪人転生して善を積む  作者: カメカメ
1章治癒師
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36 カークと戦略

カークの突撃によりジャイアントタイガーは、カークを警戒し森林組からの注意がそれた。


そして、それから程なくして森林前組が現れた。


「トリス隊長!」


森林組の声は小さくても、喜びの感情は大きかった。


トリス隊長は、森林組を見回しながら言う。


「皆、大丈夫か?怪我しているならレヴィに回復してもらえ」


「はい、大丈夫です。隊長、助かりました!」


「まだ、その言葉は早い。カークが注意を逸らしているうに、森林組は負傷者の安否と回復、そして退避をするぞ」


「森林組、お前達は回復をしてもらった後に、そのままレヴィを連れて負傷者の所へ迎え。あとの事は、イヤリングで伝える」


「「はい」」


「森林前組、作戦を変える!お前達はカークの援護に迎え。隠れて行き、あのネコに奇襲をかけろ。カークには、作戦内容をイヤリングで伝えておく。カークの指示に従え」


「「はい」」


「よし、作戦開始」


「「おー!」」


森林前組は、ジャイアントタイガーに距離を取りながら回り込みように移動し始める。


トリス隊長は、ぶつぶつ話し始めた。恐らくカークさんに作戦を伝えているのだろう。


そしてレヴィは、森林組の近くに行く。


「まずは、ドマさんから回復しますね?」


「ああ、頼む」


僕は、ドマさんにヒールをかける。皆、疲労はあるものの大した傷は無く、他の3人も1回のヒールで回復した。


「それでは、負傷者の所へ案内して下さい」


「こっちだ。少し離れてるから、君を抱っこさせてもらうよ?」


「え?ヒヤッ!」


ドマさんは、まだ背の小さい僕の移動速度すら惜しいと思ったのか、お姫様抱っこしてきた。


「ちょっ、辞めて下さい!走れますから」


ドマさんは、僕を無視し走り出した。


この野郎。



「ん?・・・、ククク。はい」


カークは、いきなり笑いながらジャイアントタイガーに話し始める。


「よう、クソネコ。今から八つ裂きにしてやるから覚悟しな!」


カークは、腰を落とし2本の剣をブラブラさせ、揺ら揺らと独特なステップを踏む。


『ガルルル』


一方、ジャイアントタイガーは右腹から出血し、痛みからか口から涎が大量に出ていた。


「いくぜ!」


先手を取ったのはカーク、常人離れしたスピードで正面から斬りに行く。


『ガゥ!?』


フェイントだろうと思っていたジャイアントタイガーは、不意を突かれつつも何とか避ける。


しかし、


「あまいんだよ!うらぁ」


ブシュ、ブシュ。


『グァウ』


避けた筈のジャイアントタイガーは、急に方向転換したカークに左右から斬り刻まれた。


「今だ!弓を放て」


カークは、弓を持った3人のうち1人に、弓を放つよう兵士に指示を出す。


「はい!」


《走れ、稲妻 ライジングアロー》


ブスッ!また右腹に、今度は矢が刺さる。


『グギャァ』


考えてもいなかった方向からの攻撃で、さらにジャイアントタイガーは苦悶の表情、叫び声があがった。


「2人も、矢を放て!」


「「はい」」


待機していた2人も、1人に倣いライジングアローを放ち、ジャイアントタイガーに矢を刺す。


『グ、グァァ』


「効いてるぞ!盾の2人、足を斬れ。そいつのスピードをカメ並にしてやれ」


「「はい!」」


ブシュ、ザシュ


『ギィヤァァ』


この連携には、流石のジャイアントタイガーも耐え切れなく、崩れ落ちる。


「よしっ、貰ったな」


《穿てよ、ツルギ 縮地突き》


カークは、勝利を確信し自分のスキルでトドメを刺しに行こうとした。


しかし、ジャイアントタイガーの特性は素早さだけではなかった。


ガブっ!


「ぐぁっ」


ジャイアントタイガーは瀕死のフリして、トドメを刺そうとしたカークの左肩に噛み付いた。


そう、ジャイアントタイガーは賢さもあるのだ。

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