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悪人転生して善を積む  作者: カメカメ
1章治癒師
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3異世界で治癒師になる

「治癒師になって善を積む旅に出て頂きます」

秤が訳の分からない事を言ってきた。


「いや、僕は無機物になるんだろう?」


「あなたは確かに多くの悪を積みました。しかし、それもあなたの環境がそういう風にさせてしまったのもあります。そういう方への、救済の意味も込めてこういう形の転生もあります」


勿論、断れば無機物ですけどね。と秤は付け加えてきた。


「私達は、基本的に転生までしかお手伝いは出来ません。あとは、あなたの魂は、全てあなた自身で造って頂くしかありません」


今世の僕の魂は最悪だった。確かに人生楽しかったが、満たされてはいなかったと思う。


人生を人でもう1回やり直せるチャンスがあるならやり直したい。


「分かった、治癒師になりたい。今までをやり直すチャンスをくれ」


次は、本当の幸せになれるように願って。


「分かりました。では、秤の前にある箱の中に入ってください」


箱の中身を開けて見ると、中は真っ暗だった。


僕は、躊躇いながらも言われるがままに箱の中に入った。


箱の中は、やはり辺りが暗く何も見えない。しかもすごい深いのか、どんどん下に行く。ような気がする。


暫くそのままにしていると、次は目の前がどんどん明るくなっていき光に包まれ、開けた場所に出た。


開けた場所の先には綺麗な女性が立っていた。


「ようこそ。救済の間へ」


女性が話しかけてきたが、悪人は女性に見惚れボーッと立ち尽くしてしまった。


「女神様?」


思わずそんな事を呟いてしまった。


「フフッ、人は私をそう呼んでいますね。早速ですが、あなたの転生先はエストイアという場所です」


「エストイア?」


「はい。この世界には、いろいろな紋章というものを持った人達がいます。その紋章が現れると、魔法やスキルが使えるようになり、その世界で治癒師になって善を積んでもらいます」


「治癒師って事は、キズを治せって事ですか?」


「はい。しかし、それは1つの選択肢です。とにかく何でも良いので、良い行いをして下さい」


何でも良いから、良い行いをする?なんだそんな事か。僕は、簡単なお仕事だと思った。


「簡単。そう思っていますね?」


「はい」


「転生してみれば分かりますよ。今の貴方の考えがどれだけ軽い考えかが」


「では、転生させますね」


女神様が聞いてくる。


「はい。よろしくお願いします」


「10歳くらいになったら、左胸に紋章が出現します。これで、治癒師としての才能は開花します。あなたはいつでも良いので、好きな時に善を積んで下さい。あなたのこれからに、良い未来がある事を願います」


視界がぐにゃりと曲がり、僕は意識が朦朧としていく。


「頑張って」


最後に女神様からそんな言葉が聞こえた。

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