27初仕事の内容
ある日、僕はとある部屋のドアをノックしていた。
「師匠、レヴィ来ました。開けてもらえますか?」
「カギは開いているわ。入りなさい」と言われ僕は、「失礼します」とドアを開ける。
入ると、どことなく暗い顔の師匠が机に座っていた。
「そこのソファに座って」
「はい」
レヴィはリアに促されソファに座る。
「師匠どうしました?呼び出しなんて珍しいですね」
そう、実は、自室でくつろいでいたところ、師匠のメイドさんが部屋に現れ、師匠が呼んでいると言伝をもらったのだ。
レヴィに話を振られたリアは、はぁと一息吐き出したあと話し出した。
「最近、数体のオークが町の外に住み着いたは知ってる?」
「はい。訓練場の兵士さんから聞いています」
普段、オークは林や森の中で暮らしているらしいが、何故か町の外周辺をうろつき始めたらしい。
「そのオークを討伐する為、先程小隊を結成したわ」
このままでは、住民に被害が及ぶと踏んでの事だろう。妥当な判断だと思う。
「是非、兵士さん達も怪我がない様、頑張って欲しいですね」
僕が関わる事はなくとも、知っている兵士さん達が怪我をして亡くなるのは寂しい。
まぁ、城内の訓練場は何箇所もあるので、僕が知っている兵士さんが、その小隊に入っているかどうかは知らないけど。
「あなたもこの小隊に同行しなさい」
「そうですか。・・・、へ?今なんて言いました?」
聞き間違いかな?僕も行く?
「だから、あなたもこの小隊に同行しなさい」
聞き間違いじゃなかった。いや、絶対に行きたくない。死ぬ可能性もあるんでしょ?
「えー!何でですか?普通、治癒師って基本そういうのには行かないですよね?」
「私だって行かせたくないわよ。でも、上の取り決めで決まったのよ。
しかも、あなたをご指名してね」
リアは、勿論の事反対はしたらしいが、今現在いる治癒師は優秀なのたが、年齢がベテランばかりらしい。
万が一あっては大変。なので、外には出したくない。でも、これからは治癒師も隊の1人の中に入れた方が、生存率が上がるのではないか。
誰かいないか?あ、だったら新米のレヴィで良いではないか。と、言う事らしい。
「ようやく、あなたは最近ヒールのみだけど無詠唱覚えたのに」
はぁ、とまた師匠はため息を吐きながら言った。
だから暗い顔してたのか。
てか、この場合僕が暗くなる所では?