2地獄に堕ちるはずが
自分の書き物を投稿するのって、凄く勇気がいる。普通に前向きなコメントを書いて投稿してる人尊敬する。
物心が付いた時には、僕に両親は居なく孤児院で暮らしていた。
孤児院の従業員さんからは、両親は亡くなったと聞かされていた。
しかし、事実は捨てられたのだと従業員さんのヒソヒソ話しで聞いた。
でも僕は、それが本当かどうかは気にしなかった。ただ、自分をこんな目に合わせた世界が憎くなっていた。
義務教育のため、小・中学校はプチ不登校になりながら通った。しかし、高校には行かなかった。
とある団体からお金の援助が得られたらしいが、それも断った。
そもそも何不自由なく暮らしている奴らとは一緒にいたくはなかった。
その後、僕は働くため孤児院を出てた。数年が経ち、平和に暮らしている馬鹿共を騙して、お金を稼ぐ素晴らしい職業に就いた。楽しかった。
騙されて、死なない程度に金を取られて、絶望の顔をした奴らを見ながら働くのは。
しかし、そんな人生も被害者に刺され終止符を打った。
「やめてくれ!せめて心の準備だけでもさせてくれ」
天秤室へと連れて来た2人は、無言で僕の手を強制的に天秤前にある箱の開け口のスタートボタンに触れさせる。
すると、箱が光り始め数秒経つと光りが収まった。男達は箱を開け、少しの善と大量の悪の袋を分けて秤にかける。
秤は、当たり前だが悪の方へ偏り始め、遂にはガタンと音を立て地面に着いた。
「秤が限界まで傾いてしまった」
僕は、愕然としながら地面に着いた秤を見た。
騙し、金を巻き上げていた罰が今下った。無機物への転生が決まった瞬間だった。
「・・・何が悪い、幸せな奴らから幸せを分けて貰っただけだ!何が悪い!」
僕は、自暴自棄になり暴れながら叫んだ。
あいつらは、詐欺をする為に近づいた時、両親がいない孤児院暮らしの僕を下に見て、いじめてきたりしたし、嘲笑いながら「両親いないの?可哀想」とか思ってもいない言葉をかけてきたんだ。
そんな奴らから、金を頂戴しただけだ。何が悪い!
「クソっ!何が無機物だ!何にでもなってやるよ!」
「その言葉、本当ですね?」
暴れていたら、さっきいた女性とはまた違う女性の声がどこからか聞こえてきた。
「え?」
辺りを見回すが、僕を連れてきた男達以外誰もいない。
「ですから、その言葉本当ですね?と聞いたのです」
僕は声を聞こえてきた方向を向くと、さっきの秤から言葉が聞こえてきた事に気づく。
「あ、ああ本当だ。何にでもなってやる。だから早く転生させろ」
「分かりました。今からあなたには、治癒師になって善を積む旅に出て頂きます」
「はっ?」
無機物になると思っていた僕は、ひょんな言葉に間抜けな言葉しか出なかった。