幕間サノハの懺悔 後編
前編ちょこちょこ変えましたm(_ _)m
懲罰室に入ってから1ヶ月が経った。
相変わらず俺の扱いは犬畜生並みだ。そんなある日、俺に面会者が来ていると言われ、看守員に面接室へと連れて行かれた。
そこにいたのは、
「レヴィ」
そう、俺が騙して陥れた張本人だった。
「はぁい、だいぶやつれたね。ちゃんとご飯食べてる?」
「あ、ああ」
食べれてはいないが、そんな事を言ったら後が怖いので言わない。
「いや、それよりどうしてここに?俺を嘲笑いに来たのか?」
「そんな暇人じゃないよ。実は私、急遽王都に行く事になったから、行く前に会いに来ただけだよ」
「そ、そうか」
俺は内心罵倒されるんじゃないかとビクビクしていた。
いや言われても仕方ないが、今の状態で言われたら精神が保てない自信があった。
「その前にこれ。サノハは確か懲罰室だから、差し入れ大丈夫だって施設長が言ってたから持ってきた」
レヴィは鞄から袋を取り出し、看守員に俺に渡すよう頼んだ。渡された看守員は、袋の中身を確認して一瞬顔を渋ったが、俺の元に持ってきた。
「何だこれ?」
「いいから、開けてみて。今の君には大切な物だよ」
俺は、袋の中身を見た。入っていたのは飲み水1袋とパンが何個か入っていた。俺は驚いてレヴィの顔を見る。
レヴィは、笑顔で俺の顔を見て「朝、作ったんだ。食べて」と言ってくれた。
「あ、ありがとう」
俺は早速パンを食べ始めた。ああ、体に染み渡る美味しさだ。
しかも、このパン砂糖が入っているのか甘くて更に美味しい。
「サノハ、食べながらで良いから聞いて」
「はがった(分かった)」
「今の現状はキツくて辛いと思う。でも、何故か外に出ると、その思い出が武勇伝のように変わってしまうんだ」
確かに、よく俺はどこどこの刑務所で暮らしてたとか脱走したとか話してた奴いたな。
「すると、また同じ過ちを犯すようになる。サノハ、君は今ある意味これからの未来の分岐点に立っている。同じ過ちを繰り返し、人生を暗く過ごすか、反省して新たな自分を探すか。よく考えて欲しい」
レヴィは、すごく真面目な顔して話しをしていた。何故か言葉に重みもあった。
「ああ、よく考えるよ。レヴィ、ありがとう」
「いいえ、どう致しまして。じゃ、もう行くね。あ、なるべく早く出れる様に嘆願書も書いたから」
そう言いながら、レヴィは帰って行った。
俺は、帰って行くレヴィの姿が女神様に見えてしまった。
後のことを考える?いや、考えるまでも無い。これからは、レヴィの、恩人の為に尽くそう。
そう、思った。そして、今はいない恩人に「ありがとう」と呟いた。
俺は、その後2度と過ちを犯すまいと心に決め、半月後出所した。
とあるアーティストが、プレイヤーという歌を歌っていて、その歌詞がすごく心にくる。今の心の拠り所。何が言いたいかというと、頑張ります!と言う事です。