16治癒師とは
朝ご飯を済ませ、レヴィ達は昨日いた客間へ行きイスに座った。
「どう?お城のご飯は?美味しかったかしら?」
テーブルを挟み、レヴィの対面に座っていたリアが話してきた。
「味がよく分かりませんでした」
せっかくの豪華なご飯の味がしなかったのはこの雌の性だ。
「どうしましたレヴィ?調子が悪いのですか?」
僕の隣に座っていた施設長が、また無神経な心配をしてきた。
くっ、この施設長は!孤児院の長なら色々気付いてよ。今、将来のあなたの嫁が変なメスに嫌がらせを受けてますよ?
「いえ、緊張していたので」
しかし変な心配をかけたくない僕は、頑張って強がりを見せた。出来た子だよ僕は!
「なら良かったよ」
いや、良かないよ。
◇
「さて、本題に入りましょう。レヴィ、あなたは治癒師の事をどこまで知っているの?」
雌、もといリアが僕に聞いてきた。
「えーと、レアなスキルで知力が高い人しかなれないくらいです。あとは、キズや病気を癒す?んですよね?」
改めて聞かれると、全然治癒師の事よく知らない。
「どうやら、さっぱりみたいね。なら今日は始めに治癒師とは、を教えるわね」
リアは、テーブルに置いてある紙に羽ペンを走らせ、絵や文字を書きながら話し始めた。
「治癒師とは、キズや状態異常を治す者の事を指すの。でも、病気は治せない。あくまで体の外から受けたものしか治せない。」
ふーん。だから、この世界にも病院があるんだな。
僕はてっきり、治癒師がお医者さんになって経営してるもんだと思っていた。
「あと、治癒師は防御系強化の魔法を使用できます。これでパーティーの壊滅を軽減することができます」
ちなみに、攻撃などの強化系バフを使えるのは魔道士らしい。
「取り敢えずあなたにはヒール、出来ればヒールと毒状態を消すアンチポイズンから教えようと思うわ」
「分かりました。よろしくお願いします」
僕は、深々と頭を下げた。これでも、ある程度の公私混同は弁えるつもりだ。
「ええ、頑張りましょうね」
リアは、頭を下げたレヴィに笑顔で答えた。
どこかで、サノハの今を書きたいな。