15今日の敵は明日も敵
「レヴィ、何に負けないんですか?」
カダートが、苦笑いをしながら僕に問いかけてきた。
僕は、挨拶と宣誓布告を間違えたことに気づき慌てて挨拶し直した。
「ええっと、あ、治癒師として負けないという意味でして。私、レヴィと言います。7歳です。よろしくお願いします」
「ああ、そういう意味か。ビックリしたよ。ハハハ」
施設長は、笑いながら「そうですか、レヴィは負けず嫌いですからね」と言っていた。
何がそうですかだ、こっちは今それどころじゃないのに!
そこで、リアがレヴィに向かって話し始めた。
「そう。なら私に負けない様に頑張ってね。色々、ね」
こいつ、分かってやがる。分かっていながら上から目線で言ってやがる。
「まぁ、今日は長旅で疲れたでしょうから、ゆっくり休んで明日また会いましょう?」
リアがそう切り出し、今日は解散になった。
◇
次の日、僕の元にメイドさんが起こしに来た。
「レヴィ様、おはよう御座います。朝のご飯が出来てますので、どうぞこちらへ」
僕は身支度を済ませ、部屋を出たら、待っていてくれたメイドさんが案内してくれる。
いやー、貴族になったみたいだな、なんて考えていると凄まじい光景を見た。
「あら、レヴィおはよう」
「おはようございます。レヴィ」
なんと、施設長と雌が一緒に歩いてきた。
しかも施設長、手をあの女の腰に当ててやがる。しかもしかも、あの雌は敢えて施設長に身体を当ててやがる!
「オ、オハヨウゴザイマス」
固まってしまい片言しか喋れない。
「さぁ、みんなで朝ご飯食べましょうか」
いやいや、それどころじゃないから!
「なんでリア様と施設長が一緒にいるんですか?」
密着しすぎだから、熱々ですね!熱々すぎて蕩けてしまいそうですね。
「ん?ああ、これはリアが起こしに来てくれたんです」
「そう。だからあなたが色々考えた事はしてないから」
この雌、何僕の顔を見て笑っていやがる。
「立ち話しも何だから、取り敢えずご飯食べに行きますか?」
施設長は、取り敢えずご飯を提案してきた。今のやり取り見てて分からなかったんかい。
あっけらかんとしていた施設長に、僕とリアは呆れた顔をしてしまった。
(メイドさんも、え?こいつマジ?みたいな顔をしていたのを、僕は忘れない)
新キャラ増やしていきたいと思ってます。