13王都へ
書いてて思った事、皆んなキャラや町の名前って適当に書いているのだろうか?と。
ふんふんふ〜ん、鼻歌混じりながら僕はバックに衣服類を入れていく。
「15になったら施設長と一緒〜。早く15にならないかなん」
15歳になったら施設長が、身元引き受け人になってくれる約束をした。
施設長と一緒に暮らす図を想像したら、顔がにやけてしまう。
「は、いけないいけない。別に、施設長と一緒になるから嬉しいんじゃないから」
そうだ、身元引き受け人がいる事で、僕も施設長も孤独な暮らしは絶対ないし?経営は苦しいけど施設長いるし?
なんなら僕が稼いだお金施設に入れても良いし?そう!
この施設に恩返しする為に、施設長には身元引き受け人なって貰わないとね!
「そうそう、僕がしっかりお手伝いしないとね〜」
ふんふんふ〜ん。
「どうしたの?久しぶりに口調が僕になってるよ?」
「ふん、ふぁ!」
ビックリしたぁ!なんでいつも僕の後ろにいるの?マジで怖っ。
「な、何でもないよ!メリルどうしたの?」
「いや・・・、あのさレヴィ紋章出たってホント?」
「あー、えっと・・・」
僕は返しに少し迷った。
実は、紋章持ちの子供は盗賊に狙われやすいらしく、拐われた後、紋章持ちの子供が欲しい金持ちに売られてしまうらしい。
そういう話しは、どこで誰が聞いてるから分からない。
なので、この話しは他言無用だ。
他言無用だけど、メリルとは、同じくらいに孤児院に預けられた同じ歳の仲だ。
この黒髪とエメラルドグリーンの目にも、怯えも敬遠もしなかった。もう家族みたいなものだし、メリルには話しておきたい。
「そうだよ、さっき治癒師の紋章が出たの」
「マジで!治癒師?凄い!しかも7歳なんて最年少じゃない?」
ちょっ、大声で喋るのはやめて。
「しー、この話しは内緒だから」
メリルも何か察したらしく、両手で口を閉じた。
「なら、なんで私に話してくれたの?」
「メリルは、私の家族みたいなものだからね。メリルだけには言うよ」
そういうと、メリルはり抱きついて来た。
「レヴィ!私もレヴィは大事な家族だよ!」
「く、苦しいから離して!」
めっちゃ決まってるから!落ちちゃうから!抱きついているメリルを、無理矢理引き離す。
殺す気かコイツ。はぁ、はぁ、死ぬかと思った。
「でね、メリル。近いうち私、施設長の知り合いの治癒師がいる王都に行くことになったんだ」
「あ、そうか。だよね治癒師なんて中々いないもんね」
少しの間が開く。そりゃ、仲の良い人が居なくなっちゃうんだから寂しいよね。僕も寂しいよ。
「手紙」
「え?」
メリルが、僕の手を握って言ってくる。
「手紙を頂戴ね!毎日書いて。私も書くから」
「分かった。約束する」
「「絶対!」」
◇
数日後、施設長の知り合いから治癒師の教育OKの手紙が届いた。
なので今日、僕たちは王都へ旅立つ事になり、仲の良いメリルが見送りに来てくれた。
「レヴィ、行きますよ?」
施設長が、馬車へ乗る様に声をかけてきた。
「あ、待って。レヴィにこれあげる」
メリルは、ポケットからオレンジ色の刺しゅう糸で編んだ物を右腕につけてくれた。
「これはね、プロミスリングって言って、これが切れると願いが叶うと言われてるの。ちなみに利き手と逆につけると、異性なら愛で同性なら友情がより強くなるらしいよ。レヴィは、左利きだから右手ね」
そうか、だから最近夜になりと部屋にこもっていたのか。うう、今世は良い友人に恵まれた!
「なら、私からも」
僕は、前世の知識を活かし、色々試行錯誤しながら作ったえんぴつを2本と、元からこの世界にある紙を数枚あげた。
「こ、これはなに?」
メリルは、不思議な物を見るかの様にえんぴつを見ていた。
「これはえんぴつと言って、羽ペンみたくインクをいちいち付けなくても、この黒い芯の所で字を書ける代物だよ。もし黒い芯が無くなったら、周りの木を削るとまた黒い芯が出てきて使えるようになるから」
メリルは、恐る恐るさっきあげた紙に字を書いてみた。
「凄い!レヴィ天才‼︎」
いや、凄いのはこれを最初に作った人だから、僕じゃないよ。
と言っても、この世界では僕が初めて作ったのかな?
「これで手紙書いてね」
「レヴィ〜、絶対手紙書くからね〜」
「メリル〜、このプロミスリング切れても大切にするからね〜」
この後、痺れを切らした施設長に無理矢理、馬車へ乗せられ王都へ旅たった。
やっと、レヴィ王都に行きました。ようやくお話しも少し進みそうです。