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悪人転生して善を積む  作者: カメカメ
3章旅立ち
110/125

9奴ら

2021年5月25日に、誤って完結済してしまいました。


まだ、続きを書く予定なので、読んで下さったら幸いです。


最後に、読んで下さっている方々へ。

この度は、誠に申し訳ありませんでした。

サノハと会ってから数日が経過した今日、僕はお城にある図書室で本を読んでいた。


理由は、英雄と勇者の紋章を調べるため。


「本当だ。英雄と勇者の紋章って似てるかも」


今まで、紋章なんて気にもした事がなく、自分以外の紋章がどんな形をしているのかさえ知らなかった。


いや、違うな。


よく思い出してみると、ずっと前に座学で習っていたけど、全然頭に入って無かっただけだ。


「だって紋章なんて、知った所でって思うじゃん」


「紋章が何だって?」


そんな独り言を呟いていたら、後ろから声をかけられた。


「うわっ!・・・なんだ、エイトか。びっくりさせないでよ」


「ははっ、悪い悪い。で、紋章が何だって?」


エイトは、僕の隣に座ると再び尋ねてくる。


「この間、サノハに言われた英雄と勇者の紋章の事を調べに来たんだよ」


僕が答えると、エイトの顔が少し歪む。


「ちっ、あいつ。思い出しただけでもムカつくぜ。それで、どうだった。似てたのか?」


「うん。細かく見ると微妙な所も少しあるけど、それでも似ていると言われると、似ているね」


英雄と比べると、勇者の方の紋章がちょっと複雑な紋章になっている、かな。


「でもさ、その仮説が本当だったら、勇者が英雄の上位互換だった場合、ある疑問が浮かぶんだよね」


「なに?」


「今まで英雄だった人達の中で、なんで勇者になった人がいなかったのかなと思って」


いくら英雄が希少と言われたって、歴史を遡れば1人くらい勇者になった人がいたって良いと思う。


「だから、その条件を満たせて無いからだろ?座学で、紋章が出現する年齢は決まってないって習ったろ。それと一緒なんじゃないのか?」


エイトのくせに、なんか的確な感じの所を突いてきたね。


エイトのくせに。


「いや、そうなんだけど。例えば、エイトなんかは10歳の時に勇者の紋章が現れたでしょう?」


「ああ、そうだな」


「なら、英雄の紋章が現れた人が、それから何年経っても10歳のエイトに届いてないって事?」


どれだけ差があるんだって話しだ。


「それは分からないが、でもあくまでその話しは仮説だからな。今、分かってるのは治癒師は条件を満たすと、別の何かになるって事だ」


そうなんだけどさ。


「まっ、そんなの今考えても分からないって事だ。それより、今日空いてるか?久しぶりに遊びに行こうぜ!」


遊び?良いね!


でも、


「ごめん。このあと、ハルさんに会いに行く予定なんだよね。それからだったら大丈夫だけど。それでも構わない?」


今日は、師匠が急用が出来たとかで、修行が無くなったからね。


「ああ、大丈夫だ。なら、終わったら訓練場まで来てくれ。誰かしらいるから、そいつらと話ししてるよ」


「分かった。じゃあ、またあとでね」


「ああ、またあとでな」


それから僕とエイトは一旦解散し、僕はハルさんの病室へ足を運んだ。



「今日は、どこ行こうかな〜。って、あれは師匠?」


この後のエイトとの予定を考えながら、歩いていた僕は、遠巻きにハルさんの病室前にいた師匠を発見した。


師匠は数回ノックした後、ハルさんの病室に入って行く。


「・・・なんとなく、病室に入りにくくなっちゃったな。師匠が話し終えるまで待って、それから入ろうかな」


僕はハルさんの病室近くまで来ると、師匠が帰るまで待ってようと壁に体を預けていたら、自然と2人の話し声が耳に入ってきた。


「奴ら、この紋章の本を持っていたわ」


「そうですか。やはり奴らがその本を持っていましたか」


奴ら?


紋章?


何だろうね、最近やたらと僕の周りで紋章が流行ってるな。


「多分だけど、この本にある書き込みを見る限り、大体は解読されてるっぽいわね」


解読?


もしかして、この間サノハが言っていた、兵士さんが見つけたという本の事かな?


「すいません。私の目が呪われなければ、スキルで本の内容を焼き付け、こちら側が有利に事を進められていたはずでしたのに」


「仕方ないわ。だってあなたは、裏切られてそうなってしまったんだもの」


「いえ、それも含め私の落ち度です」


ハルさんが気落ちした様な声でそう言うと、師匠は真面目ねと返していた。


でも、そうだったんだ。今まで、ハルさんが何でこんな事になったのか気にはなってたけど、それだけはどうしても教えてくれなかったからな。


しかし、有利に事を進める?どう言う事だろう?


そう思いながら聞いていたら、次に発した師匠の言葉に、僕は呆然としてしまった。


「でもこのままでは、奴ら英雄から勇者にランクアップ出来る方法を見つけて、魔王討伐後に、この世界を征服されてしまうわ。それまでにどうにかしないとね」


えっ、どう言う事?

英雄から勇者にランクアップして、世界を征服する?


意味が分からなかった。

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