6少ない解決方法
読んでくださっている方々へ
いつも、間を開けてすいません。
「呪いをかけた人を、殺す?」
ドクンッと心臓がなった。
「ああ、そうだ。まぁ、そいつを探すのも一苦労なんだけど。でも、色々コネを使えば、見つけ出せない事は無い。あとは、お前にその覚悟があるかどうかだ」
サノハは、そう言いながらコーヒーを飲む。
「ほ、他には方法はないかな?人を殺める以外で」
さすがに、人を殺めるのは出来る気がしない。
誰かに頼むと言う方法もあるけれど、結局、依頼するのは僕で、僕が依頼しなきゃその人は死ぬことは無かったとか考えると、やっぱり自責の念に駆られそうだ。
「あると言えば、ある。でも、これはほぼ不可能に近い」
「不可能じゃないなら、取り敢えず教えてよ」
殺人を犯すよりは良い。
「呪いの紋様の解除だ」
それって、確か師匠達が今している治療だよね。
「何でほぼ不可能なの?」
「呪いの紋様は、その魔法を編み出した人の数だけ違う。だから、まず解除方法を探し出さなきゃならない。でも、その間にも呪いをかけられた人の体は、どんどん侵蝕していくから、ほとんどの人は解除うんぬんの前に死ぬ」
「そんな。でも、その人は少しだけでも侵蝕を食い止めているよ?その間に解除方法とか探せないかな」
僕がそう言うと、サノハは凄く驚いた顔をした。
「それは凄いな、それが出来るって事は、少しは解除が出来てるって事だ。そんな人間なんて、そう何人もいないぞ。そいつはかなりの手練れだな」
ま、まぁ、このアデラでは1番の治癒師とか豪語しているくらいだしね。
「なら・・・」
望みは高いよねと、僕が言おうとする前にサノハが口を開いた。
「でも、望みは薄いな」
「な、なんでさ。さっきは驚いてたじゃない」
「驚きはしたよ。だが、紋様を全て消せなきゃ意味は無い。行き着く先は結局、紋様の完全解除だ。そうしなきゃ、また呪いの侵蝕は始まるから、死は免れない」
だ、だけど。
「で、でも少しずつでも紋様の解除が出来ているなら、その内に完全に解除出来ないかな?」
「何年かかってる?」
「え?」
「だから、そこまでたどり着くために何年かかってるんだ?そこまでに数年かかっていたとしたら、その人が生きている間の解除はまず難しい」
「そ、そんな。そんな事」
「ある、考えてもみろ。例えば、何年も病気をしている人の体は、しても精神にしても、健康体の人と同じな訳無いだろう。呪われるのも一緒だ」
「‼︎」
そうだ。
ハルさん、毎日いつも通りだったから、そんな当たり前な事に気が付けなかった。
サノハのその発言に、僕はようやく気づいた。
「何年も呪いで苦しんでんなら、そろそろ治癒師の人に何か言われてるだろ?」
「・・・」
「なら、方法は決まってるんじゃ無いのか?」
無言になる僕を見て察したサノハは、少し強張った声で言ったけど、僕は答えを出せなかった。
結局、その日は答えられず保留にしてしまった。
誤字脱字、書き方がおかしかったらすいません。
 




