1出来事
とてもとても、長らくお待たせいたしましてすいませんでした。
第3章の始まります。
読んでくださっている方々へ
取り敢えず投稿しますが、どこかに不備があるかもしれません。
もしかしたら、後日に書き直しがあるかもしれません。
その時はすみません。
「よぉ、レヴィ。お疲れさん」
「エイト、お疲れ様」
僕が、いつもの修行を終え訓練所を出ようとしたら、エイトに声をかけられた。
「また、今から城内にある病院に行くのか?」
「うん。来るなって言うけど、僕が会いたいからね」
「そうか。だけど、お前も無理はするなよ?」
「そうだね。じゃあ、またね」
「ああ、またな」
そう言って、僕は訓練所を出て城内にある病室へ向かう為、廊下を歩きじめた。
あのナルと一緒に冒険をしてから2年、僕は13歳になった。
その2年間に色々な出来事があった。
それは何かというと、まずカークさんが兵士を辞めた。
まぁ、辞めたと言っても別に体を壊したとかでは無い。
何でも、カークさんの姉の旦那さんがシェフを始めてから、食事が美味しいと評判になったみたいで実家の飲食店が凄い繁盛しているらしい。
そのお陰で、まだ従業員さんの人手が足りないだとかで、カークさんのお父さんからヘルプを受け、仕方なく兵士を辞め飲食店の手伝いをするんだとか。
だから、辞める日に僕の元へ来て、
「1度は兵士を辞めるけど、飲食店の人員が確保されたら、また戻ってくるからな。それまで、待ってろよ!」
と言っていた。
何を待つのだろうか?よく分からないけど、まぁいいかな。
次にあった出来事は、前に町を歩いていたらなんとサノハとの再会した。
サノハは、以前に僕と同じ孤児院にいた男の子で、自分のノルマの為に僕を騙し仲間に売った人だ。
あの時、僕は必死に逃げたけど、仲間に捕まってしまい、もうダメかななんて思った。
しかし、そこに颯爽と現れた施設長が助けてくれたお陰で僕は無事だった。
その後、確か奴らは捕まり、環境が最悪とされている独房へ、その原因を作ったサノハも、罪は犯したが未成年という事で、独房よりはまだ少しだけマシな環境の懲罰室という所に数ヶ月入れられる事になる。
それから少しして、僕はアデラに旅立つ事になり、嫌いだし会いたくはなかったけど、劣悪な環境にいるサノハが可哀想になったので、刑期の短縮の嘆願書を出した後、差し入れを持って面会しに行った。
そして、それからは会うこともなかった。
そんな久しぶりの再会に戸惑っていたら、サノハが僕に向かって頭を下げた。
「あの時は悪かった。俺はあれ以降、心を入れ替えて情報屋という職に施設長の計らいで着く事ができた。もし、お前が困った時があったら、俺に相談してくれ。何かの役には立つから」
深々と頭を下げたまま動かないサノハ。
この態度を見ると本当に改心したのかも知れない。
嘘をついている仕草も見せないしね。
「サノハ、分かったから頭を上げて。そもそも、恨んではいないから」
僕が手をパーにしてヒラヒラさせるながら言うと、涙を浮かべたサノハが頭を上げた。
「ホッホントか!ありがとう」
その後、一緒ゆそこら辺の飲食店に寄って軽く話しをして解散。
中々に驚いた日になった。
僕はそんな事を思い出しながら歩き、ある部屋の前で立ち止まり、その部屋のドアをトントントンとノックをした。
「・・・どうぞ」
部屋の中からそう返事が返って来た。
「失礼します」
僕も返事を返すと、ノブを回して扉を開け中にはいるる、するとそこにはベッドの上で上半身を起こしてこちらを見るハルさんがいた。
これが、僕にとって1番大きな出来事。
最近、目が完全に見えなくなったハルさんは、入院したのだ。
理由は、やはり目が完全に見えなくなってしまった事により、僕の身の回りの世話が出来なくなってしまったためらしい。
「その声はレヴィ様」
「やほっ、元気?」
僕の名前を呼ぶハルさんに、軽く手を上げながら言った。
「毎回来てくださるのはとても嬉しいのですが、レヴィ様の負担にはなっていませんか?もし、負担になる様であれば、来て頂くのは大変困ります」
「僕は1日に1回ハルさんの顔を見ないと、始まらないんだ。だから、心配いらないよ」
「それなら、良いのですが。まぁ、私もこう言っていながらも、レヴィ様のお声が聞けると元気が出ます。ありがとうございます」
ハルさんが笑顔になる。
僕も、この顔が見れるのが堪らなく嬉しい。
「じゃあ、ウィンウィンだね」
「そうですね」
「アハハッ」
「フフッ」
いつもこんな会話をしながら笑って過ごしていた。
◇
「それじゃあ、そろそろ行くね。ハルさんも、無理しないでゆっくり回復に専念してね」
ここに来てから数十分経ったくらいで、僕が言った。
病室に、あまり長くいるのは良くないからね。
「はい、ありがとうございます。レヴィ様も、無茶な事は控えてくださいね?」
「分かってる。じゃあね、また来るね」
病室を出た僕は部屋に帰るべく、また考えながら廊下を歩き始めた。
ハルさん良くなって来て良かったな。
最初、目を押さえ悲鳴をあげ倒れた時はびっくりしたもんな。
あの時、すぐさま師匠を呼んだのが良かったんだな。
少し前の事案を考えながら、自分の部屋までいくと、僕の部屋の前に、知らないメイドさんがいた。
「あの、私に何か用ですか?」
僕が、声をかけるとメイドさんはワタワタしながら、僕の質問に答えた。
「あ、あの。先程、偶然会ったリア様からレヴィ様へ手紙を渡してくれと言われ、ここに来ました」
「師匠?なんの用だろう?」
メイドさんから手紙を貰って中身を見た。
「何々?至急、私の所に来なさい?一体何の用なんだろうか。まっ、こればかりは行ってみるしかないかな」
その時は、そんな軽いノリで僕はいた。
しかしその後、僕が地獄のどん底に落とされる事になるなんて、夢にも思ってみなかった。




