表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/51

幕間 薄暗くなった王城

 ライトが去ったあとの王城。

 素人目にはわからないような異変が起こっていた。


「おい、なんか魔法の明かりが暗くないか?」


「おかしいな……。普段と同じくらいの力で魔力を込めたはずなんだけど……」


「魔道具の故障か?」


「そうかもしれないな。あとで見てもらおう」


 城の中が薄暗いと、照明を担当している者たちがざわついていた。

 魔力で灯るたいまつ型の魔道具が、なぜか反応を鈍くしているのだ。

 魔法使いたち以外は、少し気になる程度。

 しかし、異変はそれだけではなかった。


「う、うわっ!? 俺の召喚獣が制御できない!?」


「俺の方は……普段より持続時間が短いな……」


「回復魔法の効きも弱いです……」


 照明だけではなく、魔法使い全体に影響が出ていた。

 魔力に関するものが、すべてワンランク効果が落ちている。

 城というそれなりの範囲で、同時に起こる現象としては珍しすぎるケースだ。

 何が原因かは皆目見当が付かない。

 魔法使いの中で疑念が広がっていく。


「これだけの影響だ。神が作りし伝説の装備が蘇って――」


「いや、きっと地下に新種の災害級モンスターでも現れて――」


「もしかして……ブルーノが喚び出した、不吉な黒いキングレックスが何か関係あるのでは?」


「たしかにタイミング的に……」


 その中で、先日ブルーノが喚び出したキングレックスが話題にあがった。

 喚び出した当初は黒い風が巻き起こるくらいだったのだが、それから徐々に召喚獣自体が黒い(もや)に包まれるようになっていった。

 初代王とは色の違う黒いキングレックス。

 宮廷召喚士副団長の息子ということで多少のことは目をつぶっていたのだが、この状況になって不吉と言われ始めたのだ。


「チッ、オレのせいなはずがあるかよ」


 ブルーノは酷く機嫌が悪かった。

 キングレックスのことだけではなく、婚約者になれそうだと思っていた第三王女のソフィが会ってくれないからだ。


「まだライトのことを考えてるのかよ……クソが……」


 城に居づらいブルーノは、逃げるように街へ出かけるのであった。




 ――この異変の正体、それはライトが消えた日から始まっていると気付いた人間は誰もいなかった。

 次回、第二章スタートです。

 一区切りということで、評価として☆を頂けたら作者のモチベーションが上がります!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍情報】
j0jdiq0hi0dkci8b0ekeecm4sga_101e_xc_1df_
『伝説の竜装騎士は田舎で普通に暮らしたい ~SSSランク依頼の下請け辞めます!~』カドカワBOOKS様書籍紹介ページ
エルムたちの海でのバカンスや、可愛いひなワイバーン、勇者の隠された過去など7万字くらい大幅加筆修正されています。
二巻、発売中です。
ガンガンONLINEで連載中のコミカライズは、単行本一巻が5月12日発売予定です。
よろしくお願いします。

【新作始めました!】
『猫かぶり魔王、聖女のフリをして世界を手中に収める ~いいえ、破滅フラグを回避しながらテイムでモフモフ王国を作りたいだけの転生ゲーマーです~』
聖女(魔王)に転生したゲーマーが、破滅フラグを回避するために仕方なく世界を手中に収めるという勘違い系物語です。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ