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幻想英雄の召喚士 ~努力が実を結んだ落ちこぼれは、非現実的すぎるゲームキャラたちを従えて最強の冒険者を目指す~  作者: タック@コミカライズ2本連載中
第三章 黒い幻想英雄

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召喚士VS黒い幻想英雄2

「一気に行くぞ、ブルーノ!」


「へっ、オレに指図すんな。ライト!」


 すでにブルーノは準備していたのか、一瞬にしてキングレックスを召喚していた。

 ライトには一撃でやられたキングレックスだが、アレは【プレイヤー共有スキル:奇跡の一撃(クリティカルヒット)】の相性が良すぎだったためである。

 普通の戦力としてなら、キングレックスはかなり上位の召喚獣としての強さを持つ。


 一方、ライトも自らの最大戦力であるリューナに目配せをした。

 以心伝心でお互いにコクリと頷く。


「「行けッ!!」」


 ライトとブルーノの指示が同時に発せられた。

 英雄と恐竜――二体の召喚獣が息を合わせ、オータム・バグズに向かって突進していく。


「ふっ、正攻法でオレ様に刃向かうか。だが、それが正解だ。相手を陥れようとすれば、必ず我が民たちが見聞きして、好感度を下げてくるであろう」


「うん、その人たちの相手は一階で苦労したよ。だからこうやって真っ正面からお前――オータム・バグズを倒す!」


「もちろん、それも叶わぬのだがな? 悲憤の小炎(イーグニス・プレケス)


 オータム・バグズは火の初級魔法で応戦してきた。

 やはりそれは初級というにはあまりにも威力と速度、連射力が備わっている赤い銃弾のようなものだった。

 連射されるそれを〝すばやさ999〟のリューナは躱し、キングレックスは数発喰らってしまう。

 表皮が焼けただれるも、その王竜と呼ばれる強靱さで戦闘を継続させる。

 それを離れて見ていた召喚士二人は、ゴクリと息を呑んだ。


「すげぇ威力だな……アレが人間に当たったら一瞬で戦闘不能だぜ……」


「ああ、以前酒場で見たことがある。魔力耐性がない人間なら消し炭だ」


 そうしている間にも、戦闘は続いていく。

 素早さで勝るリューナが懐に入り込み、オータム・バグズに向かって剣を振り抜く。

 カンストした〝ちから999〟という威力で、空気すら斬り割くような錯覚に陥る豪腕なのだが――


「ほう、なかなかやるな。その太刀筋はオレ様の旧友、冬の狐王(ウィンター)を思い出す程度には鋭い。素早さは春の兎王(スプリング)といったところか。だが、この秋の獅子王(オータム)には――」


「くっ!?」


 オータム・バグズは王笏で余裕を持って、剣を軽々といなしていった。

 その隙をキングレックスが大顎で噛み付こうとするのだが、オータム・バグズは上手く距離を取って紙一重で躱していく。


「魔法に長け、近接戦闘もこなし、隙も全くない。……間違いなく強い」


 リューナがそう口惜しそうにするのも無理はない。

 今まで戦ってきた中でも圧倒的に強敵だ。


「お、おいおい。ライト、お前のところの召喚獣は随分と弱気だな……まだこっちの好感度が低いだけで――」


「いや、ブルーノ。よく見てみるんだ。すでに好感度は……」


【ライトパーティー:好感度80→100】【オータム・バグズ:好感度90】


「げっ!? いつの間に!?」


 お互いの好感度が最高値に達していた。

 これはつまり、ここがシステムでどうにかできる終着地点ということだ。


「お互いが正々堂々、真っ正面から戦っている。コロシアムでもあったけど、観客はそれだけでも決闘者に敬意を持ち、興奮して、好感度が上がっていくものなのだと思う」


「そ、それじゃあ、どうすれば――」


 慌てふためくブルーノ。

 その瞬間、周囲を警戒するのを忘れてしまっていた。


「危ない、ブルーノ!」


「えっ?」


 キングレックスがギリギリで回避していた悲憤の小炎(イーグニス・プレケス)が一発、流れ弾として飛んできたのだ。

 気が付いた時にはもう遅い。

 ブルーノに直撃のコースだ。


「ぐぅぅッ!?」


「ど、どうして!?」


 ライトは炎に包まれていた。

 とっさにブルーノをかばったためである。

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【書籍情報】
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『伝説の竜装騎士は田舎で普通に暮らしたい ~SSSランク依頼の下請け辞めます!~』カドカワBOOKS様書籍紹介ページ
エルムたちの海でのバカンスや、可愛いひなワイバーン、勇者の隠された過去など7万字くらい大幅加筆修正されています。
二巻、発売中です。
ガンガンONLINEで連載中のコミカライズは、単行本一巻が5月12日発売予定です。
よろしくお願いします。

【新作始めました!】
『猫かぶり魔王、聖女のフリをして世界を手中に収める ~いいえ、破滅フラグを回避しながらテイムでモフモフ王国を作りたいだけの転生ゲーマーです~』
聖女(魔王)に転生したゲーマーが、破滅フラグを回避するために仕方なく世界を手中に収めるという勘違い系物語です。
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