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幻想英雄の召喚士 ~努力が実を結んだ落ちこぼれは、非現実的すぎるゲームキャラたちを従えて最強の冒険者を目指す~  作者: タック@コミカライズ2本連載中
第二章 獣人開拓村の森

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幕間 ただ一人、王城で異変の原因に気が付く

 日間総合ランキングの下限200ポイントくらいなので載れそうにありません、残念><

 でも、章の区切りということで応援して頂き、ポイント自体は伸びていたので嬉しかったです!

 ポイントを入れてくださった読者様方、ありがとうございます!

「な、何よこれ……」


 久しぶりに王城に戻ってきたビーチェは、その異様な状況に唖然としていた。

 魔力照明はいつもの出力では光量が足りず薄暗く、召喚士たちが召喚獣を上手く操れないでいる。

 それどころか、魔法を使うモノ全般が異常をきたしていた。


「おう、帰ってきたか。ビーチェ」


「ブルーノ。これは一体どういうことなのよ?」


 城内の廊下。

 ビーチェは兄のブルーノに問いただすが、いつも自信満々のブルーノが言葉を濁してしまう。


「それは……だな……」


「ブルーノらしくないわ。どうしたのよ?」


「タイミング的にオレがキングレックスを手に入れた少しあとから……らしい。それで城の奴らはオレのせいだって噂をしてやがる……チクショウ」


 それで態度がおかしかったのかと納得した。

 今も城内の人間から嫌な視線を感じている。


「まぁ、一ヶ月後にソフィ様と結婚しちまえば、そんな根も葉もない噂は消えるだろ! おっと、結婚したらソフィと呼び捨てにしなきゃなぁ!」


 ブルーノは無理やり自分を奮い立たせているようだ。

 大柄な身体が普段より小さく見える。


「それはそうと、ブルーノ。キングレックスの魔石は今でも持っているわよね……?」


「おう、当たり前だろう。今日だって召喚したぜ? 突然、どうしたんだよ」


「いえ、それならいいの……」


 ならば、ビーチェが受け取ったキングレックスの魔石は何だったのか?

 それを渡してきた〝とある人物〟に聞くしかないのだが立場上、表だって接触はできない。


「おっと、そろそろオレは最高司祭様と結婚式の打ち合わせがあるから、もう行くぜ」


「え、えぇ……」


「肝心のソフィ様が会ってくれないけど、結婚したらそうもいかねぇだろう。式にはたいまつ召喚士のライトも呼んでやるぜ! 悔しがる顔が目に浮かぶってもんだ! それじゃあな!」


 ビーチェとしては、ライトがすでに〝たいまつ召喚士〟というレベルではなく、宮廷召喚士以上の存在になっていると忠告を伝えることもできたが、なぜか黙っていた。

 ライトとイナホの関係を眩しいと感じてしまったからだろうか。

 そんな事とはつゆ知らず、ブルーノは大笑いしながら去って行った。




 ビーチェも部屋に戻ったのだが、しばらくして気が付いた。


「……城内の異変……ブルーノがキングレックスを手に入れたしばらくあと……。それって、ザコライトが城からいなくなったタイミングじゃ……」


 幻想英雄を二人も維持できる尋常ではない魔力を目にして、ライトへの認識が大きく変わっていた。

 あれだけの力がありながら、どうして城にいた頃は初級の召喚すら成功しなかったのか。

 現状の城の〝魔力不足〟に見える現象と照らし合わせると――


「もしかして……ザコライトの膨大な魔力が散らされて周囲に供給されていた……? いえ、それだったら今までも城から離れた人間が異変に気が付いているはず。まさか、城の人間全員に魔力のケーブルのようなモノを強引に繋いで……」


 高度すぎる、ありえない。誰がそんなことをできるのだろうか。

 そう考えを出そうとした瞬間――


「え……?」


 部屋に一枚の紙が落ちていることに気が付いた。

 そこに書かれていたのは。


『イノチ ガ オシクバ コレ イジョウ センサク スルナ』


 筆跡はわからないが、常に見ているぞという恐ろしさと殺意だけは伝わってきた。

 確認した直後に、紙は青白い炎と共に消え去った


「これからイズマイール王国はどうなってしまうのよ……」


 ビーチェは、今日ほど自分の立場を苦々しく思ったことはない。

 きっと、これを解決できるのは自由の身になったアイツだけなのだろう――と。

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【書籍情報】
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『伝説の竜装騎士は田舎で普通に暮らしたい ~SSSランク依頼の下請け辞めます!~』カドカワBOOKS様書籍紹介ページ
エルムたちの海でのバカンスや、可愛いひなワイバーン、勇者の隠された過去など7万字くらい大幅加筆修正されています。
二巻、発売中です。
ガンガンONLINEで連載中のコミカライズは、単行本一巻が5月12日発売予定です。
よろしくお願いします。

【新作始めました!】
『猫かぶり魔王、聖女のフリをして世界を手中に収める ~いいえ、破滅フラグを回避しながらテイムでモフモフ王国を作りたいだけの転生ゲーマーです~』
聖女(魔王)に転生したゲーマーが、破滅フラグを回避するために仕方なく世界を手中に収めるという勘違い系物語です。
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