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63 一仕事を終えて


 そうしてラストールへと辿り着いた俺たちは、町中に女子たちを配置し、予定通り住民たちの大浄化を行った。


 基本的には俺の意思次第で浄化対象を絞り込むことが出来るらしいので、装備品類などへの影響は心配なさそうだった。


 女子たちの報告によると、イトルの時同様、住民たちは口々に身体が軽くなったなどと笑顔で語り合っていたらしい。


 中には城で治療を受けたという人もいたらしいので、たぶん成功しているのだと信じたい。



「「「「「「乾ぱーいっ!」」」」」」



 ――かつんっ!



 というわけで、一仕事を終えた俺たちは、先ほどオフィールが言っていたとおり、食事を摂りながらお疲れさま会をしていた。


 せっかくなのでと奮発した肉料理に舌鼓を打ちつつ、俺たちは歓談を楽しむ。



「とりあえずこれでイトルからラストールまでの浄化は終わりましたし、あとはベルクア方面を経由しつつ、最後の女神さまのもとへと赴くだけですね」



「そうだな。確か〝雷〟と〝破壊〟を司るやたらと気性の荒い女神だった気がするが、存外お前と気が合うのではないか? なあ、グレートオーガ」



「だからグレートオーガじゃねえっつってんだろ!? いい加減にしねえと張っ倒すぞ!?」



 がたっとオフィールが骨つき肉を片手にメンチを切る。



「まあそう怒るな。ほれ、私の鳥料理を一口くれてやろう」



「お、おう、わりぃな」



 ――ぱくっ。



「どうだ? 美味いか?」



「おう、こいつはなかなか……って、そうじゃねえよ!? 何人を餌づけしようとしてんだてめえ!?」



「はっはっはっ、お前は相変わらず素直で可愛いやつだな」



 がるると牙を剥き出しにしているオフィールをアルカがおかしそうに笑う。


 なんだかんだ言いつつも皆仲がよさそうで何よりである。


 さすがにこれだけ大所帯だと揉め事も起こりそうなものなのだが、それぞれが意外と上手くやっているようだ。



「……まったく野蛮な人たちはこれだから困るわ。オーガ同士の争いなら外でやってちょうだい」



「おい、ちょっと待て。誰がオーガだ」



「だっはっはっ! お姫さまに言われてりゃ世話ねえな!」



「ぐっ、おのれ……っ」



 あれ? 本当に上手くやってる?


 俺が若干の不安を覚えていると、ティルナが卵料理をフォークで差し出しながら言った。



「これ美味しい。イグザも食べてみて」



「お、ありがとな。じゃあ……んっ」



「「「「――っ!?」」」」



 俺はティルナに勧められた料理をもぐもぐと咀嚼する。


 うん、これは確かに味が染みてて美味いな。



「どう? 美味しい?」



「ああ、とても美味しかったよ。ありがとな」



「よかった……」



 何やら嬉しそうに頬を染めるティルナを、俺が小動物みたいで可愛いなぁと見据えていると、



「こ、これも美味しいですよ? イグザさま」



「いや、こっちの方が断然美味い」



「いんや、あたしの肉の方がぜってえうめえ」



「やれやれ、私のが一番に決まってるでしょう?」



 さあ! と四人が同時に料理を目の前に差し出してきて、俺は「お、おう」と一人頷くことしか出来なかったのだった。


 もちろん差し出された料理は全部食べました。


 どれも甲乙つけがたいくらい美味しかったです。



      ◇



 ともあれ、今日は様子見と休息も兼ねてラストールの宿に泊まることにした。


 たぶん必要はないと思うが、夜にもう一度浄化をしておこうという話にもなったからだ。


 まあ念には念を入れておきたいし、ティルナもこういう大きな町に来たのははじめてだと言ってたからな。


 せっかくなので観光させてあげようということになったのである。


 そうして存分にラストール観光を堪能したらしいティルナは、ほくほく顔で工芸品などのお土産を手に女子たちと宿へ戻ってきた。


 いつか入り江に帰った際、旅の思い出とともにセレイアさんにプレゼントするらしい。


 ならば途中で壊れないようしっかりと保管しておかないとな。


 ちなみに俺は何をしていたのかというと、普通に宿で武器のお手入れである。


 というのも、シヌスさまのお力を賜って以降、ヒノカグヅチから軋むような音が聞こえるようになってきていたからだ。


 確かに今まで大分無茶をしてきたし、いつガタが来てもおかしくはないのだが、恐らくは強化された俺の力に耐えられなくなっているのだろう。


 ただでさえ複雑な機構の武器だからな。


 もし雷の女神――〝フルガ〟さまと戦闘なんてことになったら、たぶん最後まで耐えきるのは難しいと思う。


 となると、先にレオリニアに行き、レイアさんにバージョンアップを頼んだ方がいいかもしれない。


 うん、そうしよう、と俺は薄ら明るみを帯びてきた天井を見やりながら思う。



「……すー……すー……」



 そしてそんな俺の胸元で小さな寝息を立てているのはティルナだ。


 まあこれには色々とわけがありまして……。


 最近少々ご無沙汰気味だったので、女子たちとそういう雰囲気になったのはいいものの、どうやらそっちの方もテクニック的なのも含めて色々と強化されてしまったらしく……。


 次から次へと押しかけては全員足腰が立たなくなり、それを知ったティルナが是非自分もとせがんできたのである。


 そりゃ一応遠慮はしたのだが、「わたしは年上だから問題ない。それともわたしとじゃ嫌……? わたしのこと嫌い……?」とか言われたらもうね。


 男として抱くしかないと思いました、はい。


 まあいつ誰を抱くのかは以前から結構言われていたので、一晩で全員を相手に出来るようになったのなら、それはそれでいいことなのかなぁ……。


 と、内心小首を傾げる俺なのであった。


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[一言] 一晩で! うらやまs・・・
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