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《聖女パーティー》エルマ視点46:そりゃ禁忌にもなるわよ!?

ついに200話目です!

ここまで読んでくださり本当にありがとうございます!m(_ _)m


「何やら大変なことになってきましたな……」



「そうね……」



 帰還したイグザたちの報告を聞き、豚が神妙な面持ちで声をかけてくる。


 なんでも女神さまたちは皆あのフィーニスとかいう怖い女神に取り込まれてしまった上、ザナの妹たちも彼女に連れ去られてしまったらしい。


 しかもその目的が〝イグザと子作りするため〟だというからもうわけが分からない。


 そんなのしたければ勝手にすればいいじゃない。


 それで世界が平和になるなら万々歳でしょ?


 ねえ?



「しかしこうなってくると、いよいよ聖女さまの《スペリオルアームズ》が急がれますな」



「そ、そうね……」



 って、人があえて触れなかった話題にがっつり触れてくるんじゃないわよ!?


 せっかく考えないようにしていたのに台無しじゃない!?


 ええ、ええ、分かってるわよ!?


 あたしがそのスペリオルなんちゃらを習得しないと、そもそも子作りが出来ないんでしょ!?


 ならたとえここであたしが拒否したところで、そのうちまたあの女神に怖い顔で迫られるのは明白じゃない!?


 イグザは子作りするつもりはないみたいだけど、どのみちあの女神を倒すにはあたしのスペリオルなんちゃらが必要だっていうし……。


 はあ……、と大きく嘆息するあたしに、豚が珍しく紳士的に微笑んで言った。



「少し外の空気でも吸いに行きませんか?」



「えっ? でも……」



 ちらり、と未だ話を続けているイグザたちを見やる。


 一応あたしも当事者の一人なわけだし、勝手に抜け出したら悪い気がするんだけど……。



「まあまあ、いいじゃないですか。ほら、行きましょう」



「ちょ、ちょっと!?」



 豚に背を押され、あたしはされるがまま工房をあとにしたのだった。



      ◇



 そうして里の外へと連れ出されたあたしは、すっかり夜の帳が下りて暗くなった空を見上げる。


 どうやら今夜は星がよく見える日のようだ。



「どうです? 少しは気持ちが落ち着きましたか?」



「ええ、おかげさまでね。というか、意外と強引なのね、あんた」



「ふっふっふっ、私はこれでも里一番のプレイボーイですぞ?」



 にやり、とどや顔で言う豚に、あたしは「ふーん」と胡乱な瞳を向ける。


 まあプレイボーイうんぬんはさておき、多少なりとも気分転換になったのは事実なわけだし、ここは素直にお礼を言っておこうと思う。



「一応感謝しておくわ。ありがとね」



「いえ、構いません。それより聖女さまにこれをお渡ししておきたく思いまして」



 そう言って豚が取り出したのは、何やらピンク色の液体が入った小瓶だった。



「……何よこれ?」



 渡された小瓶を見やりながら問うあたしに、豚はふっと優しい笑みを浮かべて言う。



「もしどうしてもイグザさまとの行為を受け入れられないその時は、どうぞそれをお飲みくださいませ。そうすればあなたの苦しみはすっと消えるはずです」



「え、それってまさか……」



 服、毒……っ!?


 愕然と固まるあたしに、豚は「ええ」と頷いて言った。



「ですのでそれを使うのは本当にどうしようもなくなった時にしてください。その薬は里の禁忌――それを持ち出したことが知れただけで処罰は免れない代物ですので」



「そ、そんなもの受け取れないわよ!? 大体、あたしこんなもの使うつもりないし!?」



「いえ、奥手なあなたには必要なはずです。そのドワーフ族特製――〝超絶ド淫乱媚薬〟が!」



「……はっ?」



 え、ちょっとごめん。


 何言ってんのこの豚。


 しばいていいの?


 真顔で目を瞬くあたしに、豚は人目を気にした後、耳打ちするようにこう言ってくる。



「ところで余ったらちゃんと返してくださいね? いずれ私も使う時がくるかもしれませんので」



「……」



 うん、しばいていいわね。


 そう微笑み、あたしは豚をしばき倒したのだった。


 なお、まったくこれといって他意は全然ないのだが、豚に持たせておくのは危険なのでこの薬は没収しておくことにしました。


ここまで読んでくださってありがとうございます!

モチベが上がりますので、もし少しでも「面白いかも~」とか「続きが読みたいな~」と思ってくださったのなら、是非広告下の☆☆☆☆☆評価で応援してもらえたら嬉しいですm(_ _)m

よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] (´・ω・`)珍しくいいことしましたね。危うく被害者を作るとこでしたよ。
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