《聖女パーティー》エルマ視点41:豚なのかオークなのか……。
なんということであろうか。
豚があの怖い女神の手によって〝黒人形〟とかいうのにさせられてしまった。
まあそれは彼女の色仕掛けにがっつりハマった豚の自業自得なのだけれど、問題はその豚の外見が黒いオークにしか見えない上、嫁……いや、〝女〟を求めているということである。
もちろん巨乳好きな豚のことだ。
好み的にドストライクのマグメルは言わずもがな、アルカディアにオフィール、シヴァとすでに目はつけまくりだろう。
その上、お胸は並みだがザナはSっ気を感じさせる美人だし、ティルナのバブみ(?)も捨てがたい魅力がある。
――そう、この中にいる誰もが豚に狙われている可能性があるのだ!
「悪いがポルコさん。彼女たちは皆俺の嫁だ。あなたには誰一人として渡すわけにはいかない」
「グギギ……ッ。許スマジ……ハーレム王……ッ」
「……ハーレム王?」
だが彼女たちには夫であるイグザがいる。
今や神にすら匹敵する力を身につけたあいつがいる限り、豚の望みが叶うことはないだろう。
となれば、だ。
次に豚が狙うのは――そう、未だフリーのあたし!
マグメルにその座を奪われたとはいえ、一度は恋い焦がれていたあたしのうら若き肉体を求めてくることは必定と言ってもいいわ!
何故ならあの豚とあたしはそこそこ長い間二人で旅をしていたのだから!
ゆえに黒人形化で己の欲望を剥き出しにされている豚は、まさにオークみたいに今まで抱いてきた悶々たる思いをぶつけてくること間違いなし!
でもあたしは屈しないわ!
たとえこの身体を豚の好きにされても、心までは絶対に屈したりなんてしないんだから!
……。
いや、なんの話よ!? とあたしは内心突っ込みを入れる。
なんか無駄に熱く語っちゃったけど、そもそも豚に犯された時点で普通に自害するっての!?
心が屈しなければいいとかそういう問題じゃないわよ!?
ふざけてんの!?
「ふむ、何やら顔色が優れないようだが……大丈夫か?」
「え、ええ、大丈夫よ。ありがとう」
って、危ない危ない。
あたしが内心変なことを考えていたのがバレるところだったわ。
でも……、とあたしはアルカディアを横目で見やる。
この子とか「くっ、殺せ!」って感じで最後まで粘ってそうな気がするのよね……。
豚の隠し持ってた本にもそう書いてあったし。
こういう芯の強そうな女戦士は大体そう言いながら粘るんだって。
まあそれでも最終的には〝悔しい……っ〟みたいな感じで落とされちゃうらしいんだけど。
……。
いや、だからあたしはなんの話をしてるのよ!?
この状況で頭沸いてんじゃないの!?
ほぼオーク化している豚と、あのちょっとだけいやらしい本のおかげで、あたしの思考回路は少々おかしいことになっているようだった。
い、一応言っておくけど、別にあの本は読みたくて読んだわけじゃないんだからね!?
そこにあったから仕方なく読んだの!?
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