親切心の数値化
875124カイン、この数値は決して低い方ではなく、20代後半の男性としてはむしろ高い方と言えた。
カインとはkindness(親切、優しさ、いたわり)が語源となっている単位であり、語源が表す通りその人物がだれだけkindnessな行いをしてきたのかを表しているのがカインである。もちろんそれだけではなくさまざまな複雑な要因が合わさり個人ごとの取得カインが決まるのだが、基本的にはより親切な行いができる人ほどカインの値が高いと言える。
もちろん生まれてすぐ親切な行いが出来る訳はなく。また、生まれて何もしていない状態ではカインが獲得できる訳ではないので、16歳までは全ての人が一律で同じ値のカインが与えられ、16歳以降それぞれの行いによってカインが増減するという仕組みになっている。それゆえ、まだ未成年の内は親のカイン数の値によって生活環境が左右され、親のカイン値が高い方が恵まれた生活環境であることを考えると、完全に平等なシステムであるとは言えないが、それでも以前の資本主義体制の時代と比べればはるかに平等性が保たれている。
それゆえ、16歳以上になるとどのようにカインを獲得するかという事が人々の中では最重点事項となり、世の中で得られる情報の約80%がこの話題であり。最近最も人気のある番組は「世界の偉人達のカイン」という番組で、それぞれの生い立ちを説明し、もし同じ行いを現代でしたとなるとその偉人のカインはどのくらいになるのかという内容である。
その影響もあってなのか、100年前と現在では尊敬する偉人の内容も全然違っており、社会が変われば人の考え方も変わってゆくという一つの大きな例なのではないかと思う。
ちなみに、100年前の尊敬する偉人ランキングは「1位 織田信長」「2位 坂本龍馬」「3位 エジソン」であるのに対し、現在では「1位 空海」「2位 ナイチンゲール」「3位 大塩平八郎」となっており、カインの多い人の方が人から尊敬されている。




