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第1話 ある日の夜です! (5)
だから何とかお犬様の近くに寄ったのだが……
う~ん、辺りは暗闇……それに良く見ると道路の端には街灯もない漆黒に包まれた世界なんだよ。
と、いう事だからお犬様をソォ~ッと覗き込んでも状態が良くわからない!?
でもこのままという訳には本当にいかないから取り敢えず触れてみる事にしたよ。
う~ん、モフモフとした肌触りだね、僕の手の平は……
ッて、そんな不謹慎な事を考えては駄目だよ。
とにかくお犬様の身体を見て──良く確認をしてみるんだ。
色は銀色……って、こんな色のお犬様っていたっけぇ?
野良犬だけど、和犬ではなくて洋犬なのかなぁ?
と、思っているとね。漆黒の暗闇から……月の明りが辺りを照らし始めるよ。
そうなると、お犬様が徐々にだけれど。容姿が何となく見え始めたようだ。
するとさ、今度は、お犬様の容姿が月の光で照らし出されたよ!
そこにはね、銀色に神々しく光輝く──お犬様の姿があるんだ!
だから僕は思わず「……ん? えっ? なっ、何? あれは?」と声を漏らしてしまった。