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11話 ゴブリンロードとの死闘

やっぱり『操水』を使って空を飛ぶのはかなりキツイ。

魔力自体はそれほど消費しないが、常に集中していなければいけない。


ゴブリンロードを視界の端に捉えると俺は

さっそく不意打ちで『操水』の応用形の水弾で攻撃する。

卑怯とか言ってる余裕はない。

だが攻撃が届く前に水が蒸発した!

ゴブリンロードは魔法は使えないはずなのに

俺の目の前で火炎の魔法を使い水がなくなった。

何故だ?

何故使える?

この世界の魔物を作ったのは俺だからどんな

行動をしてくるか全て知っている。

だがこのゴブリンロードは明らかに俺が作った物と違う。

…とにかく今はこいつを倒すことに集中しよう。


『操水』はすぐに蒸発させられてしまうから

解除して更に『インビジブル』を使い

ゴブリンロードに突撃する。

フレイムソードで斬りつけるが、避けられてしまう。

見えているのか!?

いや、違う『魔力探知』だ。

見えているわけでは無いから多少こっちに分がある。

魔法はどうやら中級レベルまでしか使えない

ようなので、フレイムソードから炎の魔法を飛ばして相殺する。


だがそこまでしても1手足りない。

基本ステータスはゴブリンロードの方が高いから攻撃が当たらない。

それに1発でも当たればそこで即死だ。

攻撃さえ当たればフレイムソードで簡単に倒せるのだが。

…仕方ない、魔力が切れてしまうが、最近覚えた魔法を使うことにしよう。

『空気圧縮』この魔法はその名の通り空気を押し潰す。それは外側だけに留まらず体の内部も同様に潰す。

これを唱えるとそこらじゅうのゴブリンが一瞬で粉になる。ゴブリンロードも動きが止った。


「こんだけやって動き止める程度かよ!」


そう叫びながらなけなしの魔力を振り絞る。


「本命はこっちだァァァ!」


再び『操水』を使い、今殺したばかりのゴブリンの生暖かい大量の血を滝のようにゴブリンロードにぶつける。

たかだか中級魔法でどうにかなるようなレベルじゃあない。

水の滝、いや、嵐で『水嵐』と名付けよう。くたばりやがれ!

そう声に出せずに叫ぶと同時に体じゅうの穴という穴から血が出る。

今までも多少傷ついていた体を酷使したが故だった。

1発当たれば即死の、緊張感がある戦い、限界までの魔力行使、魔力以上に集中力の必要な『操水』の長期使用。その全てが今の結果だ。


「うシャアァ!」


ゴブリンロードが叫ぶ。

そうすると『インフェルノ』が起こる。

今のはどうやら詠唱のようだ。


「無駄だ。お前の死は確定してる。」


ゴブリンロードが『インフェルノ』を使ったのは驚いたが、それでも勝てる。

そう信じていたからこそそんなクサいセリフを言った。


『インフェルノ』と『水嵐』がぶつかり合う。

結果、ほとんど蒸発したが、僅かに残った水がゴブリンロードの頰を掠めた。

それで終わりと考えたのか、今にも倒れそうな俺にゴブリンロードがよってくる。

だが、これで終わりじゃ無い。

前にも言ったが、『操水』は集中力を切らさない限り永久に使える。魔力を消費するは最初だけだ。

つまり、今ゴブリンロードの頰を掠めた水もまだ使える。その水を使いゴブリンロードの傷口を通り、そのままゴブリンロードの体の中を抉って行く。臓器という臓器を、血管という血管を抉って切っての繰り返しだ。そうしてようやくゴブリンロードは倒れた。


「ざまみろ。」


俺もそう言って倒れたのだった。














「あんちゃん、大丈夫か?」


「なんだ…筋肉ダルマか美少女だったら良かったのに。」


「傷は美人の回復術士が直してくれたぞ。」


「マジか! どおりで体が軽いわけだ!

ん?回復術士じゃななくて僧侶だろ?」


「あぁ、そうだったな。

とりあえず勝ったぞ。」


それ先に言えよ。




町に戻ると、もはや町とは呼べないくらいボロボロだった。

ただでさえショボかったのにコレもうダメじゃね?


ギルドマスターにも出迎えられた。


「あ、エイト君無事で良かったよ。エイト君が大怪我したと聞いてアリアが泣きながら心配してたよ。」


「それは、言わないで欲しかったですわ。」


とギルドマスターの隣でアリアがモジモジしてる。

可愛すぎかよ。


「エイトさんゴブリンロードを倒してしまうなんて凄いですわ。」


「アリアならもっと楽に勝てただろうけどな。だけどアリアは広範囲残滅のが良いはずだから残ってもらった。」


「そこまで考えていたのですわね!流石エイトさんですわ。」


やっぱり信頼が重かった。


などと話していると急にギルドマスターが真面目な顔になり


「死傷者が多数でているし、他にも問題が山積みだ。僕が色々やっとくから詳しい事は明日話しあおう。」


「わかった。」


「わかりましたわ!」


こうして俺達はゴブリンとの戦いが終わったのだった。


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